2016.9.08

内部監査はアウトソーシングできるのか?~アウトソーシングの是非

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今回は、アウトソーシングについて考えてみたいと思います。
アウトソーシングという考え方は比較的古くからあり、最近ではBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とも呼ばれ、その利用範囲も情報システムの開発・運用や経理、給与計算から営業や製造といったコアプロセスまで拡大してきているようです。

 


目次

目次1    BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
目次2    アウトソーシングのメリット・デメリット
目次3    内部監査アウトソーシングの是非
目次4    内部監査アウトソーシングの留意点


 

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)

改めてBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)について整理してみたいと思います。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、いわゆる”業務委託”や”外注”のことで、自社内で行っていた業務やビジネスプロセスを専門企業の外部に委託することを言います。企業内部で行われている総務や経理といった業務、給与計算、データの入出力や処理などの業務を中心に外部に委託するケースが多いようです。
また、アウトソーシング先には、国内のほか海外も含まれ、システム開発や経理業務といった業務を海外に委託することもそれほど珍しくない時代になっています。

 

アウトソーシングのメリット・デメリット

一般的にアウトソーシングには次のメリットがあると考えられています。
① コストメリット:内製より、外部委託する方が安い
② 経営資源の有効活用:コア業務(本業)への専念
③ ノウハウの補完:専門性の高い業務の補完
この中で重要なのは①および②となります。
③については、必ずしも専門性が高い業務をアウトソーシングするとは言えず、むしろ専門性が低く、”誰にでもできる”ような業務の方が外部に委託しやすいという側面もあります。
アウトソーシングするメリットは、自社で対応するより、外部に委託する方が圧倒的にコストが安いからであり、その分の人的資源をコア業務に集中させ、本業に専念できることにあると言えます。
一方で、アウトソーシングには、技術やノウハウ、経験といったものが社内に蓄積されないといったデメリットも指摘されており、この点が懸念事項となり、アウトソーシングに踏み切れない企業も多いようです。

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内部監査アウトソーシングの是非

内部監査をアウトソーシングする是非について考えてみたいと思います。
実際に内部監査業務をアウトソーシングする企業は存在しますし、最近における内部監査の重要性の高まりの中、内部監査を外部に委託しようという動きが増えてきています。しかしながら、そういった動きの一方で、「そもそも内部監査を外部に委託しても良いのか?」といった声を聞くことも少なからずあります。
内部監査はアウトソーシングできるのでしょうか?
今一度、アウトソーシングのメリットを考えてみたいと思います。
① コストメリット:内製より、外部委託する方が安い
第一に、アウトソーシングするメリットはコスト(価格)です。このコストには人件費だけでなく、教育や育成のコストも含まれます。内部監査人は相応の知識と経験を必要としますので、それに相応しい人件費、そして育成のためのコストと時間がかかります。アウトソーシングにより、これらのコストを削減することができます。
② 経営資源の有効活用:コア業務(本業)への専念
第二に、アウトソーシングするメリットは本業への専念です。外部委託に回すことで、社内のリソースを本業に回すことができます。また、内部監査の範囲や対象が増加する傾向の中、新たに人を増やすことなく、安定的な監査体制を構築することができます。
③ ノウハウの補完:専門性の高い業務の補完
第三に、ノウハウや経験の補完です。内部監査は、相応のスキルと経験を必要とします。そういったスキルや経験を外部より調達できるというメリットがあります。
以上より、「内部監査は外部に委託して良いのか?」といった問題では無く、むしろ『内部監査はアウトソーシングに向いている業務』と言えます。

 

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内部監査アウトソーシングの留意点

アウトソーシングにはデメリットもあると言われています。それは、技術やノウハウ、経験といったものが社内に蓄積されないといった問題です。アウトソーシングには、大事な留意点が一つあります。
それは『企画・分析機能は自社内に残す』というものです。
全てを丸投げするのではなく、企画・分析(なぜ?どうして?)といった業務を残し、外部委託業者と協力して業務を推進することにより、技術やノウハウ、経験が蓄積されないといった弊害は低減されるはずです。
そもそもアウトソーシングは、経営者の経営方針に大きく依存します。本業に専念するために、極力外部を使用するという方針であれば、アウトソーシングを利用し、そうでなければ、本業も含めて自社内で対応すれば良いだけです。
しかしながら、多くの企業が、経営の根幹を支える情報システムをERPパッケージに委託して、自社でシステム開発を行うのが極めて稀なこの時代。内部監査だけを特別扱いし、自社のリソースだけで対応すべきと考える時代は限界にきているのではないでしょうか?

 

まとめ

・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のメリット
① コストメリット:内製より、外部委託する方が安い
② 経営資源の有効活用:コア業務(本業)への専念
③ ノウハウの補完:専門性の高い業務の補完
・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のデメリット

技術やノウハウ、経験といったものが社内に蓄積されない
・『内部監査はアウトソーシングに向いている業務』
・内部監査アウトソーシングの留意点
全てを委託するのではなく、『企画・分析機能は自社内に残す』