2018.3.22

販売管理システムの選定に失敗しないために~システムを比較する際の確認ポイント~

販売管理システムは、企業の根幹となる販売活動を管理するためのシステムです。
営業マンがシステムの事務処理に時間を費やしていては、本業である販売活動に注力できません。
効率よく事務処理できるシステムを望むのは、どちらの企業も一緒です。

 

販売管理システムは、パッケージ製品も多く販売されており、システム投資費用を抑制すべく、パッケージシステムを利用するという企業も増えています。

 

今回は、これから販売管理パッケージシステムを検討する企業様に向けて、販売管理システム比較のためのポイントについて述べていきます。

 


目次

目次1  販売管理システムとは
目次2  販売管理システムの範囲
目次3  販売管理システムの処理フロー
目次4  販売管理システム選定のポイント②在庫引当
目次5  販売管理システム選定のポイント③出荷指示書・納品書印刷
目次6  システム選定に失敗しないために


 

販売管理システムとは

販売管理システムという言葉を目にすることは多いですが、その定義は様々です。

 

商品の販売活動だけを管理するシステムを指すこともあれば、発注、在庫管理なども含めて販売管理システムと呼んでいることもあります。
製造業における生産管理まで含めてそのように呼んでいた例もありました。

 

今回は、狭義の販売管理システム、すなわち、引合、見積、受注、出荷、売上計上、請求の管理を対象にしたシステムについて話をしていきます。

 

 

販売管理システムの範囲

先ほど、範囲について記載しましたが、ここでは、もう少し具体的に販売管理システムでできることを整理します。

 

・引合管理
得意先からの引き合い情報を管理するための機能です。
取引に関する情報(求められている商品、サービス、発注時期)や受注確度などを入力します。

・見積管理
見積情報を入力し、見積書を作成するための機能です。
見積書の承認までカバーしている製品もあります。

・受注管理
受注情報を入力し、注文書や注文請書を印刷します。
在庫品(自社で在庫をストックしている商品)の場合は、在庫数量の確保(引当)も行います。
在庫数量やリードタイムから納期を確認するというのも、大切な機能の一つです。

・商品手配
在庫品以外の商品を受注した場合において、商品を手配するための機能です。
商品手配の方法には、大きく分けて商品の発注依頼と工場への生産依頼の二つがあります。

・出荷管理
倉庫に対して、出荷を依頼します。納品書、ピッキングリスト等の必要書類を印刷することができます。
また、出荷実績についてもシステムへ記録することができます。

・売上管理
出荷実績(又は得意先から受領した検収実績)に基づいて、売上計上します。
値引きやリベートが発生した場合は、売上値引や売上割戻を入力し、売上を減額計上します。

・返品管理
得意先からの連絡に基づき、商品の返品処理を行います。
返品した商品の受領、代替品の出荷(又は売上の減額)といった処理も対象となります。

・請求管理
売上データに基づいて、請求書を作成します。
伝票単位で請求書を作成する機能や締め処理をして一定期間分を纏めて請求書を作成する機能があります。

 

以上が販売管理システムの一般的な機能です。
上記以外にも、販売計画の管理やリベート計算などを対象にしている製品もあります。
営業部門の方が行っている事務作業を中心にカバーしています。

 

 

販売管理システムの処理フロー

販売管理システムで行われる一般的な処理フローについても確認していきます。

 

前述の通り、販売管理システムは、商品販売に関する一連の業務をカバーしています。
そして、予めそれぞれの業務をつなぐフローも定義されています。

 

一例をあげると、以下の通りです。
<販売管理システムの処理フロー例>
・引合を受けて見積書を作成する。
・商品を受注したら受注入力する。
・受注入力の際に、在庫を確保(引当)する。
・商品の出荷指示書や納品書を印刷する。
・出荷指示に基づいて、倉庫で商品を出荷し、出荷実績を入力する。
・出荷実績に基づいて、売上を入力する。
・売上に基づいて、請求書を作成する。

 

パッケージシステムのフローは、その製品が理想と考えている業務の流れです。
搭載しているフローのまま業務を行うことができるようであれば、その会社にとって投資対効果の高いパッケージシステムを選ぶことができた、と言えます。

 

 

販売管理システム選定のポイント②在庫引当

ここからは、自社に適したシステムを選ぶためのポイントを挙げていきます。

販売管理システムにおいて論点になることが多い機能の一つとして、在庫引当があります。
製品によって、引当ルールや引当時の制約に違いが多い機能です。

 

一例をあげますと、賞味期限が短い食品などを扱っている製造業では、前日までに受注した商品を、当日製造して出荷するということが珍しくありません。
そうすると受注のタイミングでは、まだ在庫が無い、ということになります。

 

ここで気を付けたいのは、パッケージシステムによっては、在庫が無いのに受注を入力することはできない、という制約を持っている、ということです。
これは、内部統制という観点では有用な機能ではありますが、例に挙げた様な企業の場合は、大きな制限となってしまいます。

 

他企業では有意義な機能だったとしても、それが自社にも当て嵌まるとは限りません。
自社に合った販売管理システムを選ぶためには、それぞれの機能について、自社で求められる機能か否かを判断していく必要があります。

 

 

販売管理システム選定のポイント③出荷指示書・納品書印刷

ポイントをもう一つ取り上げます。出荷指示書や納品書の印刷です。

 

先ほどの例のように、在庫の引当ができない場合、企業によっては受注を入力する必要性が低くなってしまいます。
そうすると、わざわざ受注と売上で二度処理を行う必要がありませんので、売上入力だけ行い、事務処理の負担を軽減する、というフローが考えられます。

 

その時に制約になる可能性があるのが、出荷指示書や納品書の印刷です。
パッケージシステムによっては、受注から入力しなければ、出荷指示書や納品書を印刷できない、という制約を持つものがあります。

 

そのような製品は、売上入力=商品の出荷又は検収時に行うもの、という前提に立っていますので、そのタイミングで出荷指示書や納品書を印刷する必要は無い、というのは至極当たり前の考えです。

 

ですが、その制約があると、必要性は低くても受注入力の省略は不可能です。
受注入力⇒売上入力というフローを変えることはできません。

 

個々の機能を確認することも大切ですが、フローとして繋げた時に問題が無いか、という視点でも自社に合っているか否かを分析する必要があります。

 

 

システム選定に失敗しないために

システム選定のポイントとして、在庫引当と出荷指示書・納品書印刷を取り上げました。
このような例に該当してしまうと、処理フローは大幅に変わってしまいます。

 

<販売管理システムにおける処理フロー:2つのGAPに対応したパターン>
・引合を受けて見積書を作成する。
・受注入力に備えて、架空の在庫を入力する。
・商品を受注したら受注入力する。
・受注入力の際に、架空の在庫を引当てる。
・商品の出荷指示書や納品書を印刷する。
・出荷指示に基づいて、倉庫で商品を出荷し、出荷実績を入力する。
・出荷実績に基づいて、売上を入力する。
・売上に基づいて、請求書を作成する。
・実際に製品が出来上がったら、架空在庫を減らして、実在庫を計上し直す。
※赤字下線部は、想定フローとの相違点

 

2つの機能ギャップが生じた結果、理想的な流れとしていたはずのフローが、これだけ変わってしまうことになります。

 

ベンダー側の説明を聞くだけでは、個々の機能が自社に合っているか否かを適切に判断するのは難しいです。
自社に合った販売管理システムを選ぶためには、自社の販売業務フローや重要要件を把握し、選ぼうとしている販売管理システムで対応ができるかを検証したうえで製品を選ぶことが重要です。
選定の際には、是非「フロー」と「要件(機能)」の両面から適合性を確認してみてください。

 

 

まとめ

販売管理システムとは
☑販売管理システムと一口に言っても定義は異なる。
☑当記事では、引合、見積、受注、出荷、売上計上、請求の管理を対象にしたシステムを対象とする。
販売管理システムの処理フロー
販売管理システムの処理フローは、一般的には、次のような流れであることが多い。
① 引合入力
② 見積書を作成
③ 受注入力
④ 在庫引当
⑤ 出荷指示や納品書印刷
⑥ 商品出荷(出荷実績入力)
⑦ 売上計上
⑧ 請求書の作成
販売管理システム選定時のポイント
販売管理システム選定において確認したいポイント(例)は次の通りである。
☑在庫引当:製品によって機能の違いが大きい。
☑出荷指示書・納品書などの書類:出力できるタイミングに制約があることがある。
販売管理システム選定で失敗しないために
☑自社の販売業務フローや重要要件を把握する。
☑選ぼうとしている販売管理システムで対応可能か検証する。