2018.4.05

予算管理システムの活用事例~予算集計だけではない!意外な使い方~

タイトル

 

予算管理システムの基本的な使い方は、社内の組織ごとの予算データと実績データを集めてその差異を確認することですが、システムを導入した企業では、それだけに留まらず、様々な場面で活用しているケースがあります。
今回は、予算管理システムの機能を使って、本来の使い方とは違った効果を得ている企業の活用事例をご紹介していきます。

 


目次

目次1  簡易なBIツールとして社内システムのデータを集約
目次2  非会計データを取り込んでKPI管理
目次3  従業員の日報を集計して業務改善
目次4  その他の活用事例


 

簡易なBIツールとして社内システムのデータを集約

昨今の予算管理システムは、予算データと実績データを任意の切り口で取り込み、組み合せて出力する仕組みが備わっているものが多くあります。
その仕組みを利用して、社内に存在するあらゆるシステムのデータや、現場部門が独自に管理している業務用のExcel資料などを取込み、情報を組み合せることで簡易的なBIツールとして利用している企業もあります。

 

一般的なBIツールは、会計システムや販売管理システムなどに蓄積されるデータを統合・分析して情報を可視化することで、業務や経営の意思決定を可能にします。
しかし、導入をするにはそれなりの費用がかかる上、自分たちの実現したいことに対して多機能すぎて充分に使いこなせず、投資対効果を得られにくい面もあります。
結果として、あれば便利なので欲しいけれど諦めている、という企業も少なくありません。

 

一方で予算管理システムは、手頃な価格帯で入手できるものもあり、予算管理に関する一連の業務をシステム化するだけで、一定の導入効果を挙げることができます。
そして、データを任意の切り口で入出力する機能を有していることにより、「ちょっとデータを分析してみたいけれど、Excelでは複雑になりすぎるし、BIツールを買うほどでもない」というニーズを満たせる可能性があります。

 

予算管理システムはグラフィカルな情報表現や、データの組み合せをドラッグ&ドロップで変更する直感的な操作など、高度な機能は持ち合わせていないこともありますが、取り込んだデータを組み合わせてクロス集計をしたり、ドリルダウンをさせたりできるなど、「ちょっとデータを分析」するには最適なシステムである場合が多いのです。

 

ある小売の企業では、営業部門が使っている販売管理システムと顧客管理システムのデータと、調達部門が使っている購買システムと在庫管理システムのデータを組み合せ、商品の仕入れから顧客への販売までの流れを追えるようにしておき、いつ、どのような顧客(性別・年齢)がどの販路(直営店・代理店・通販)から商品を買っているか、売れた商品はどこの取引先からいくらで仕入れたものなのか、などを分析しています。
さらに、会計システムから財務データを取り込んでおき、現場の部門が販売管理費の情報まで自由に取得して分析することができ、より利益を意識した活動を行えるようにしている事例もあります。

 

 

非会計データを取り込んでKPI管理

予算管理システムには勘定科目の金額に限らず、あらゆる数値や文字列を取り込めるように作られているタイプがあります。
予算管理システムを利用している企業の中には、予算と実績データの他に、例えば顧客数や商品の在庫数などの非会計データも取込み、日々の業務の指標として管理をしているケースがあります。

 

ある製造業の企業では、営業部門が予算管理システムに次のような営業プロセスのKPIを登録し、目標に対する実績を追っています。

 

 

<営業活動のKPI>
・新規顧客への連絡回数 ・既存顧客への連絡回数 ・アポ取得件数 ・顧客訪問回数 ・見積り作成数 ・受注件数 ・受注単価

 

これらに対して予算データと同じように月別の目標数値を設定しておき、毎日、営業の社員が実績を入力することで、KPIの進捗を確認しています。
このような情報の管理はExcelでも実現できますが、システム化する方がファイル管理の手間がなくなり、複数部門からのデータ集計も容易であることから、この企業では予算管理システムを利用しています。
また、財務的な予算と実績の数値も取り込まれているため、KPIの実績と組み合せて分析することも行われています。

 

 

従業員の日報を集計して業務改善

前述の事例に近しい内容ですが、従業員の日報を集める手段として、予算管理システムを利用している企業もあります。
日報と言うと、メールやExcelによる提出や専用のWebサービスを利用した運用が思い浮かびます。しかし、この企業では予算管理システムが持つフォーマット登録機能と
ワークフロー機能を活用し、実現しています。
日報のフォーマットは各部門によって分かれており、部門に合わせた入力項目が設定されています。
営業部門と管理部門に大別すると、共通している項目は以下のとおりです。

 

<営業部門の日報項目>
・日報コメント ・顧客への架電件数 ・顧客訪問数 ・訪問先 ・提案製品

 

<管理部門の日報項目>
・日報コメント ・作成した業務マニュアル数 ・マニュアル内容 ・業務改善提案数 ・提案内容

 

数字を入力する部門のKPI項目の他、自由にコメントを入力する項目も設定されていますが、文字列も取り込むことのできる予算管理システムを採用しているため問題なく扱えています。

 

また、入力したデータの承認/否認を行うことのできるワークフロー機能を使い、従業員が日報を作成し、提出の操作をすると直属の上長に回付されるようにできています。
上長は日報コメントを読んで、従業員個人の状況を把握すると共に、担当チームや部門のKPI数値を集計して、目標との比較を行っています。

 

この企業は日々、予算管理システムに蓄積される日報データから、特定の分野や話題に関するコメントを抽出したり、KPIの進捗がよい従業員の日報内容を拾い上げて行動を参考にするなど、集めた情報を業務改善の基として活用しています。

 

 

その他の活用事例

上記の他にも、予算管理システムの機能を活用した、次のような事例もあります。

 

<財務データを使ったシミュレーション作業>
会計システムにある財務データを予算管理システムに取込み、販管費の配賦シミュレーションを実施している企業があります。
本来、配賦処理は会計システム内で行いますが、事前に配賦結果を確認したいと考えても、会計システムにシミュレーション機能がなかったため、代替手段として予算管理システムに配賦の基になる基準値と販管費のデータを取り込んで、計算をさせています。
会計システム内のデータを変えることなく、各種の計算をさせることができるという点で、予算管理システムを重宝している企業は、意外と多く存在しています。

 

<連結精算表の作成>
これはかなりのレアケースではありますが、予算管理システムを使って連結決算の業務を実現している企業もあります。
予算管理システムのデータの中に子会社・関連会社のマスタを作成し、各グループ会社の決算情報を集めて、会計システムにはない内部取引消去用の仕訳データは別途Excelで作成し取り込むことで、連結精算表を作成しています。

 

これまでお伝えしてきましたように、予算管理システムだからと言って、予算と実績の集計だけを行うのではなく、機能をうまく使うことで、様々な業務に応用している企業が存在しています。
「業務データの集計や加工に苦労しているけれど、専用システムを買うほどではない」という状況にありましたら、予算管理システムの導入も一考に値するのではないでしょうか。

 

 

まとめ

簡易なBIツールとして社内システムのデータを集約
☑予算管理システムにはデータを様々な切り口で取り込める機能がある。
☑社内システムのデータを取込み、販売・仕入の分析に活用している事例がある。

 

非会計データを取り込んでKPI管理
☑予算管理システムには、あらゆる数値や文字列を取り込めるタイプがある。
☑営業部門がKPI(新規顧客への連絡回数やアポ取得件数など)を登録して、進捗を管理している事例がある。

 

日報を集計して社員の活動を把握
☑予算管理システムで日報のフォーマットを設定している事例がある。
☑ワークフロー機能を利用して、日報コメントとKPI実績の収集が行われている。

 

その他の活用事例
☑会計システムではできない、配賦のシミュレーションで使っている事例がある。
☑連結精算表の作成に利用している事例がある。