2018.12.06

予算管理システムで本当に必要なこと~Excelと予算編成・予実分析

 

多くの企業では、Excelを利用して予算管理業務を行っています。予算の編成から予実分析まで、Excelが大活躍しており、予算管理業務を完全にシステム化している企業は少ないようです。
ERPやパッケージシステムが発達し、大企業だけでなく、中小企業においても導入が進んでいるのにも関わらず、一部の業務でExcelを利用するケースは依然として多く、まさに予算管理業務はExcelが大活躍するエリアです。今回は、予算管理におけるExcelとシステムの関係性について考えてみます。

 


目次

目次1  Excel予算編成とExcel予実分析の現状
目次2  Excel予算編成の課題
目次3  Excel予実分析の課題
目次4  Excel予算管理とパッケージシステム


 

Excel予算編成とExcel予実分析の現状

予算管理は、人の判断に多く依存する業務です。予算を作る人は、過去の実績から将来を予測し、それこそ“鉛筆舐め舐め”して予算を編成していきます。この意味で、予算編成は、システム化し難い業務です。また、予算の編成は、予算を作る関係者が組織横断的に広く存在することから、多くの人が予算業務に関与します。このため、誰にでもやさしく使い勝手の良い仕組みやシステムが求められます。
一方、予実の分析においては、実績が確定したら直ちに分析しなければ意味がなく、スピードが強く求められます。また、予実の結果も、組織横断的に多くの人が利用しますので、誰でも簡単に使える仕組み・システムが必要です。
■Excel予算編成の現状
予算の編成は、誰にでもやさしく、使い勝手の良い仕組みやシステムが求められます。
このことから、多くの企業ではExcelを利用しています。現場部門の予算を作る人は、Excelに予算数値等のデータを入力し、何度も検討を重ねることで予算を確定させ、確定した予算をERPや会計パッケージの予算データとして登録します。つまり、予算が確定するまではExcel、確定した予算はERP・会計パッケージで管理する、といった切り分けで運用しているケースがほとんどです。
■Excel予実分析の現状
予実の分析においても、誰でも簡単に使える仕組み・システムが必要です。
このため、予実分析の局面においても、多くの企業ではExcelを利用しています。実績のデータは、ERPや会計パッケージに入力・蓄積され、月次等のタイミングで蓄積した実績と予算を比較して分析することになります。この実績と予算を比較して分析する際にExcelを利用します。予実の分析用データを自由に加工して分析するためには、Excelが使い勝手が良いのです。

 

予算管理業務においては、予算の編成や予実の分析の局面で多くの人が関与することから、誰でも簡単に使える仕組みが求められ、多くの企業がExcelを利用しています。

Excel予算編成の課題

多くの企業ではExcelを利用して予算管理を行っていますが、一番よく利用されているのが予算編成です。予算編成においては、予算が確定するまでExcelが利用され、確定した予算をERP等のシステムに登録することが多いです。
予算編成:「Excel」入力・集計⇒【予算の確定】⇒「ERP」確定予算
■Excelと予算編成
予算編成においては、現場部門等の多くの人が関与して予算を作ります。このことから、誰でも使えるExcelを利用して予算の編成を行うことになります。誰でも使えるという意味では、Excelはとても優れたソフトですが、一方でデメリットも存在します。Excel予算編成で問題となるのが、いわゆるExcelメタボの問題です。予算を何度も見直す中でExcelファイルの数がどんどん増えていき、どれが最新なのかわからない等、ファイルの管理に大きなストレスを感じることになります。
■ERP・パッケージと予算編成
ERPや会計パッケージを利用して、予算編成を行うケースもあります。例えばERPには、予算管理モジュールといった機能が標準装備されていて、予算編成の機能を利用するケースもありますが、ここでもいくつかハードルが立ちふさがります。まず、Excelとは違って、あまり使い勝手が良くなく、データを入力し難いという課題が大きく、Excelのように誰でも使えるという訳ではありません。
また、ERP等のライセンスの問題もあり、そもそも関係者全員が使えない(お金がかかる)というのも大きな課題です。

 

Excel予算編成の課題としては、Excelのファイル管理に係る作業負担をどうやって減らすかということに尽きます。ファイル管理の工数削減がExcel予算管理の大きな課題です。

 

Excel予実分析の課題

予実分析においても、多くの企業でExcelを利用しています。ERPや会計パッケージに蓄積された実績と予算を分析する局面でExcelが利用されています。部門管理者から経営者まで広く利用し、利用者が自由に分析したいとの理由から、Excelが使用されることになります。
予実分析:「ERP等」実績集計→【実績の確定】→「Excel」予実分析
■Excelと予実分析
予実分析においては、現場部門の人も予実の結果を確認します。このことから、誰もが使えるExcelを利用して予実の結果を確認するケースが多いのです。しかしながら、経営管理者が様々な視点から予実の結果を分析しようとすると、データの加工作業が必要になります。Excelには様々なチャートやグラフの機能がありますが、それを利用するためには、加工作業が必要となり、この作業に多大な労力と苦痛を伴うことがあります。
■ERP・パッケージと予実分析
ERPや会計パッケージには、予実分析の機能が搭載されているケースもあります。ERP等によっては、いわゆる多次元分析といった機能を売りものにしているものもあり、予算と実績を組み合わせて様々な角度から分析をすることが可能になっています。しかしながら、多次元に高度な分析をするためには、いわゆるパラメータの設定という形で予めシステムに分析軸等を登録しておかなければなりません。また、分析軸を変えたいと思っても、簡単に変更できないケースもあります。

 

Excel予実分析の課題としては、Excelのチャートやグラフ機能を利用してレポートを作るために、データを加工するという作業が必要となり、この労力が相当なものになることが挙げられます。

 

Excel予算管理とパッケージシステム

多くの企業でERPや会計パッケージが導入・利用される今日においても、未だに予算管理はExcelで対応しているという事例は多いです。それだけ予算管理業務がシステム化し難い、あるいはExcelとの親和性が高く、Excelを利用した方が良いとの判断が大きいのかもしれません。
■予算管理に特化したパッケージの登場
最近では、予算管理に特化したパッケージも多く開発・販売されるようになってきています。ほとんどのソフトウェアがWeb入力を可能にして、どこからでも入力できるように配慮したり、Excelとの親和性を追求して、Excelライクな画面やExcel取込みに重点を置いていたりと、誰でも使用できるような仕様になっています。
■予算編成だけでなく、予実比較を重視
予算管理パッケージというと、予算編成の負荷を軽減させる仕組み(WebやExcelライクな入力画面等)に目を奪われがちですが、注目すべきは予実分析の機能です。そもそも予算を作るのは、実績と対比させて目標を達成する原因を分析するためであり、実績の集計から比較・分析まで、スピーディーかつ負担なく(加工しないで)できるシステムが有益なのです。

 

最近は、予算管理に特化したシステムが比較的リーズナブルな価格で販売されています。ERP等を利用している企業であっても、ERP等と専用の予算管理パッケージの両方を使用することは可能です。
予算編成と予実分析に課題を抱える企業は依然として多く、一度、予算管理システムを検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

まとめ

Excel予算編成とExcel予実分析の現状
■Excel予算編成の現状…誰でも使えるExcelが適している
■Excel予実分析の現状…Excelで簡単にデータ加工できる
★予算管理業務においては、誰でも簡単に使える仕組みが求められる。
Excel予算編成の課題
■Excelと予算編成…ファイルの管理に大きなストレスを感じる
■ERP・パッケージと予算編成…あまり使い勝手が良くない
★ファイル管理の工数削減がExcel予算管理の大きな課題となる。
Excel予実分析の課題
■Excelと予実分析…データの加工作業に多大な労力と苦痛を伴う
■ERP・パッケージと予実分析…設定の負荷が高く、簡単に変更できない
★データ加工作業の負荷軽減がExcel予実分析の大きな課題となる。
Excel予算管理とパッケージシステム
★予算管理に特化したパッケージが開発・販売されている。
★予算編成だけでなく、予実比較を重視してシステム化を検討する。