システム選定の第一歩~RFIの作成とその効果

2016年10月20日

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今回は、RFIについてご説明します。
以前当ブログにてRFPについてのエントリーを掲載しましたが、RFIはシステムベンダーが扱ってるシステムの概要などを求める依頼書であり、システム選定の際のベンダーとのファーストコンタクトです。
それでは早速、RFIとはどのようなものか、具体的にご説明します。


RFIとは

RFI(Request For Information)とは、システムの選定を行う際、システムベンダーに「私達はこういうシステムが欲しいと思っていますが、あなたの会社にはどのようなものがあるか教えてください」と要求するための、情報提供依頼書のことです。
新システムの要件や予算を検討する際の参考にすることで、同時に提案を依頼すべきベンダーの絞り込みにも繋がります。
自社の求める条件に合ったシステムにはどのようなものがあるのか、そもそも存在するのか。そしてそのシステムを提供しているベンダーは、どのような企業なのか。ベンダーとシステムのことを知る第一段階として、情報提供を依頼するのです。

 

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RFIの記載内容

RFIの標準的な記載事項は、大きく分けると
①自社の情報
②ベンダーに対する依頼事項
の二つに分かれます。
それぞれの標準的な記載事項を見ていきましょう。

 

【自社の情報】
情報提供依頼の趣旨
会社概要など
パッケージシステム選定プロジェクトの概要
現行システムの概要

RFIは、新システムの稼動や保守運用などで、長いお付き合いをしていくかもしれないベンダーとのファーストコンタクトです。ベンダーやシステムのことを知る目的もありますが、同時にベンダーに自社のことを知ってもらう必要もあります。
情報提供依頼の趣旨や自社の会社概要は、ベンダーが提案する製品を選定するための前提となります。
また、プロジェクトの目的やシステムの範囲、システム構築のスケジュールなどを示すことで、より具体的な情報の提供が期待できます。

 

【ベンダーに対する依頼事項】
情報提供依頼事項
情報提供に関する条件など

システム選定において、製品の機能を知ることが大切なのは勿論ですが、システム導入・運用におけるベンダーの能力を知ることも重要になります。
情報提供依頼事項には、製品の基本的な情報や標準機能のほか、ベンダーの概要や導入実績・手法なども併せて確認しておくと良いでしょう。
製品の強み(アピールポイント)や画面イメージについても情報を入手しておくと、その後の選定の役に立ちます。

 

RFIの悩みどころ

RFIを作成する際に悩みどころとなるのが、記載内容のレベル感です。
RFPと同様、RFIを作成する機会は少なく、情報システム部門の方でも、在籍中に1回、2回あるかないかと言う作業になるかと思います。社内にRFIを作成した経験者がおらず、ノウハウが得られないということも少なくはありません。
また、RFIを作成するのはシステム選定の初期段階になりますので、この時点ではまだ分からないこと、決定していない事項も多いかと思います。
そんな中で重要視すべきことは、現状自分達の考える中で最重要な機能や、予算感の情報が得られるよう、相手のベンダーが答えやすいように質問をすることです。

RFIの悩みを解決する手掛かり・方向性など

RFIの内容に、全ての機能要件を盛り込むことは不可能です。(それはRFPの役目です)
その為、RFI作成の際に踏まえておきたいポイントは
「この段階でベンダーやシステムを決定する訳では無く、あくまで知ることが目的」
であるということです。
まずはシステム選定のためのタネを集めることが重要になります。

 

集めたタネを活用するポイントとしては、
・的外れなシステムを選択肢から除外する
・新しいシステムや機能を知る
の2つが挙げられます。

 

「的外れなシステムを選択肢から除外する」ためには、「ノックアウト・ファクター」と呼ばれる「絶対に外せない」という条件を可能な限り盛り込んでおきましょう。
重要機能や予算上限などの条件を満たさないシステムは予め選定から除外することで、選ぶべきシステムを絞り込むことができます。反対にこれが除外されていないと、必須の機能や条件が盛り込まれておらず、導入後に苦労することになってしまうかもしれません。

また、ベンダーに情報提供を依頼することで、知らなかった新しいシステムや機能に出会える可能性もあります。これまで盲点だった新しい機能を知ることで、課題の新しい解決策や、効率化への道筋が開けることもあるのです。

まずはこの2点について情報を得ることを前提に、記載内容を検討してみてください。

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RFIに期待する効果

いきなりRFPを作成してしまうと、いわゆる一発勝負のような状況になることもあります。
RFIで第一段階の絞り込みを行い、残ったベンダーにRFPを出す流れとなりますが、RFIの作成段階でベンダーとやりとりをしておくことで、そのベンダーのことを深く知ることもできます。この段階で関係を構築できることによってやり取りもしやすくなり、情報が得やすくなります。

また、システム導入が開始されてから、対応の難しい課題が出たときに、「何故このシステムを選んだのか」と取締役などから聞かれることは少なくないようですが、RFIの作成から段階を踏んでおくことで、その理由を資料と言う記録によって明確化できます。

RFIを作成することにより、安心感を持ってシステム選定を進めることができるようになるのです。根拠と自信をもってシステムの選定を行うために、ぜひRFIの作成を検討してみてください。

 

まとめ

・RFIの記載内容
【自社の情報】
☑情報提供依頼の趣旨
☑会社概要など
☑パッケージシステム選定プロジェクトの概要
☑現行システムの概要
【ベンダーに対する依頼事項】
☑情報提供依頼事項
☑情報提供に関する条件など

 

・RFI作成の方向性
☑絶対に外せない条件(ノックアウト・ファクター)を可能な限り盛り込む
☑新しいシステムや機能の情報を集める

 

・RFIの期待効果
☑ベンダーとの関係構築
☑システム選定理由の資料化(明確化)

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