2017.2.09

バランス・スコアカードとは?~ミッション・ビジョン・戦略とBSCの関係

 

バランス・スコアカード(BSC:Balance Score Card)とは、「財務」「顧客」「社内プロセス」「学習と成長」の視点から業績を評価する技法として、ロバート・S・カプランとデビット・P・ノートンにより、提唱されたものです。
今回は、バランス・スコアカードとミッション・ビジョン、戦略との関係性について解説してみたいと思います。

 


目次

目次1    バランス・スコアカード概要
目次2    ミッション・ビジョンとBSC
目次3    戦略ツールとしてのBSC:外部・内部分析
目次4    戦略ツールとしてのBSC:戦略の浸透


 

バランス・スコアカード概要

バランス・スコアカードの仕組みは、次の5つのステップで構成されています。

 

Step1:ミッション・ビジョン…ミッション定義、ビジョン設定、コア・バリュー定義
Step2:戦略…社内外の分析、戦略マップ策定、重要成功要因の定義
Step3:マネジメント…業績評価指標の設定、ターゲット設定
Step4:変革…組織変革、業務プロセスの改善、社員教育・意識改革
Step5:モニタリング…業績評価、戦略評価、戦略の検証と調整

 

今回は上記ステップの1と2について、それぞれ解説して行きたいと思います。

 

BCS概要

 

ミッション・ビジョンとBSC

バランス・スコアカードを作るにあたっては、まず最初に会社や部門のミッション・ビジョンを明確にします。

 

ミッション:自社の存続理由
会社が存在する理由は何なのか?
部門が何のために存在するのか、如何なる価値を提供できるのかを明確にすることが戦略を考えるうえで、最初の一歩となります。
ビジョン:会社や事業の方向性
次に会社や部門のミッションや進むべき方向性を描く必要があります。
組織の3~10年ぐらいの目標をビジョンとして掲げ、会社や事業の方向性を明確にして、長期的な戦略をプランニングします。
コア・バリュー:企業の価値観
ミッションやビジョンを踏まえ、会社などの中核をなす価値ないし価値観を考えます。
企業間競争に打ち勝ち、持続的な成長を担うために、自社の強みや独自性などを踏まえ、それを戦略という形で表現します。

 

このように、バランス・スコアカードを構築する際には、会社や部門の使命を明確にして、組織としての将来像を描き、持続的成長を達成していくための強みや独創的な価値を明確にして行きます。

 

BCSとミッション

 

戦略ツールとしてのBSC:外部・内部分析

バランス・スコアカードでは、戦略を”開発”し、その”体系化”を行うことができます。
戦略を開発するためには、以下のような分析ツールを利用して、様々な角度から会社や部門の外部・内部分析を行います。

 

□産業の経済性検討
 ファイブ・フォース・モデル(買い手の交渉力・売り手の交渉力・代替品・新規参入・
 競合他社)による企業が所属する産業や市場の検討・分析
□PESTEL分析
 経済成長性、金利、為替、仕入価格、法規制、CSR(企業の社会的責任)
 による社外および社内環境などの評価
□バリューチェーンモデル
 社内のケイパビリティ(企業成長の原動力となる組織的能力や強み)と
 実行力(製品サービスの開発・製造・流通・販売の価値創造プロセス)の検討
□SWOT分析
 SWOT(Strength・Weakness・Opportunity・Threat)による分析マトリックス
 強み・弱み・機会・脅威による外部・内部要因分析

 

この中で比較的簡単に利用しやすく、次のアクションに繋がりやすいのがSWOT分析です。
バランス・スコアカードによれば、SWOT分析などを利用することにより、企業外部および内部の環境、能力を分析し、戦略の方向付けを行うことになります。

 

BCSと戦略①

 

戦略ツールとしてのBSC:戦略の浸透

戦略を”開発”した後は、戦略の”体系化”を行います。
SWOT分析などにより、事業の方向性などを明確にしたうえで、戦略を絵に描いて行きます。
バランス・スコアカードでは、次の3つより戦略を体系化します。

 

①戦略マップ
戦略目標の因果関係を視覚化して、目標達成上の戦略テーマを一つの鎖として表現します。
これを戦略マップと呼びます。
ここでポイントになるのが”因果関係を視覚化”して、”鎖として表現”することです。
つまり、一つの目標を達成して次の目標を達成して行く連鎖の形で戦略テーマ=行動テーマを決め、最下位のテーマを達成することから段階を追って上位の目標、そして最終目標を達成できるようなマップを描くことが重要になります。

 

②4つの視点
財務、顧客、社内プロセス、学習と成長の4つの視点より、戦略テーマを明確にします。
バランス・スコアカードで特長的なものが、この4つの視点です。
企業行動として、財務目標の達成に向けて、顧客へ如何なるアクションを取るか、
そのためにどんな社内プロセスや業務フローを構築するか、
円滑に社内プロセスないし業務を回すためには、如何なる学習をして成長すれば良いのか、
を明確な視点を設けて、戦略マップを作ります。
財務から顧客、社内プロセス、学習と成長の連鎖関係を明文化して表現するのがバランス・スコアカードの最大の特長です。

 

③重要成功要因
戦略テーマには、必ず一つの重要成功要因(CSF:Critical Success Factor)が存在します。
このCSFは、KGIやKPIとして表現されるものです。
*KGI:Key Goal Indicator(重要目標達成指標) 
*KPI:Key Performance Indicator(重要業績評価指標)
戦略マップを単なる絵で終わらせないために、具体的な数値目標まで落とし込み、戦略を達成するための重要指標として掲げます。
具体的な地図(戦略マップ)や定量的な目標(KPIなど)を明確にすることで
バランス・スコアカードは、戦略を体系化して、それを全部門・全社員に伝え、
具体的な目標に落とし込むツールとして機能することになります。

 

BCSと戦略②

バランス・スコアカードは、ミッション・ビジョンを明確にし、戦略とそのための具体的な目標を策定するための有効なツールとして機能します。
・ミッション、ビジョン、コア・バリューを実現する仕組みとしてのBSC
・戦略を可視化し、戦略的意思決定を推進するツールとしてのBSC
としての有用性に着目し、自分の会社や部門の戦略立案や見直しに役立ててみてはどうでしょうか。

 

 

まとめ

ミッション・ビジョンとBSC
 ミッション、ビジョン、コア・バリューを実現する仕組みとしてのBSC
 ミッション:自社の存続理由
 ビジョン:会社や事業の方向性
 コア・バリュー:企業の価値観

 

戦略ツールとしてのBSC
 戦略を可視化し、戦略的意思決定を推進するツールとしてのBSC

 

 外部・内部分析…産業の経済性検討、PESTEL分析、バリューチェーンモデル、SWOT分析
  e.g. SWOT分析…強み・弱み・機会・脅威による外部・内部要因分析
 ☑企業外部および内部の環境、能力を分析し、戦略の方向付けを行う。

 

 戦略の浸透…戦略マップ、4つの視点、重要成功要因(KGIやKPI)
  e.g. 4つの視点…「財務」「顧客」「社内プロセス」「学習と成長」の視点
 ☑戦略を体系化し、全部門・全社員に伝え、具体的な目標に落とし込む。