2017.3.09

バランス・スコアカードとは?~マネジメント・変革・モニタリングとBSC

 

バランス・スコアカード(BSC:Balance Score Card)とは、「財務」「顧客」「社内プロセス」「学習と成長」の視点から業績を評価する技法として、ロバート・S・カプランとデビット・P・ノートンにより、提唱されたものです。
今回は、バランス・スコアカードのマネジメント・変革・モニタリングツールとしての有用性について解説してみたいと思います。

 


目次

目次1    バランス・スコアカード概要
目次2    マネジメントツールとしてのBSC
目次3    変革ツールとしてのBSC
目次4    モニタリングツールとしてのBSC


 

バランス・スコアカード概要

バランス・スコアカードの仕組みは、次の5つのステップで構成されています。
Step1:ミッション・ビジョン…ミッション定義、ビジョン設定、コア・バリュー定義
Step2:戦略…社内外の分析、戦略マップ策定、重要成功要因の定義
Step3:マネジメント…業績評価指標の設定、ターゲット設定
Step4:変革…組織変革、業務プロセスの改善、社員教育・意識改革
Step5:モニタリング…業績評価、戦略評価、戦略の検証と調整
今回は上記ステップの3から5について、それぞれ解説して行きます。

 

BCSツール

 

マネジメントツールとしてのBSC

バランス・スコアカードは、マネジメントツールとして有用です。
BSCを利用することにより、戦略と整合性ある業績評価指標を設定し、目標を数値化することができます。

 

例えば、”3年以内に上場する”というビジョンを達成するために、「財務」「顧客」「社内プロセス」「学習と成長」の4つの視点からそれぞれの戦略ないし戦略テーマを設定したとします。
①財務の視点…売上高の倍増、適正な営業利益の確保
②顧客の視点…新規顧客の開拓、既存顧客の囲い込み
③社内プロセスの視点…新規訪問営業、営業プロセスの改善
④学習と成長の視点…営業マンの増員、営業スキル教育

 

この戦略テーマを達成するために、KPI(重要業績評価指標)を設定し、具体的な目標を数値化・定量化します。
①財務の視点…売上高成長率:210%、営業利益率:20%
②顧客の視点…新規案件数:30件/月、リピート率:80%
③社内プロセスの視点…新規訪問件数:50件/月、プロセス改善数:3本
④学習と成長の視点…営業増員数:10人、研修実施数:4回/月

 

この時、それぞれの戦略テーマないしKPIは相互に関係性を有していなければならず、ビジョンを達成するための連鎖になっていなければなりません。つまり、営業マンを増員して営業スキルを教育することで、営業プロセスを改善し、訪問営業を強化して行く必要があります。
営業プロセスを強化することにより、新規開拓および顧客の囲い込みに成功し、売上高成長率や営業利益率を向上させるという連鎖関係になければなりません。
BSCは、戦略の実行状況を定量的に評価できるツールとして効果を発揮します。

 

BCSとマネジメントツール

 

変革ツールとしてのBSC

バランス・スコアカードは、変革のツールとしても有効です。
BSCを利用することにより、実行計画を策定し、組織・業務・社員を変革させることができます。「財務」「顧客」「社内プロセス」「学習と成長」の4つの視点から目標を達成するためのアクションを具体化することが可能になるのです。

 

下記4つの視点の目標値を達成するためには、
①財務の視点…売上高成長率:210%、営業利益率:20%
②顧客の視点…新規案件数:30件/月、リピート率:80%
③社内プロセスの視点…新規訪問件数:50件/月、プロセス改善数:3本
④学習と成長の視点…営業増員数:10人、研修実施数:4回/月

 

例えば、下記のようなアクションプランを実行することが望まれます。
①財務の視点…広告宣伝費の増加、ABC/ABM管理
②顧客の視点…新商品説明会開催、ユーザコミッティの設立
③社内プロセスの視点…営業マニュアルの作成、プロセス標準化・業務改善
④学習と成長の視点…リクルート活動、専門研修施設の開設

 

このように、BSCには、目標を達成するためのアクションを具体化する効能があり、
業務の改善や社員意識の変革を促進するツールとして効果的です。
*ABC/AMB(Activity Based Costing/Management):活動基準原価計算/原価管理

 

BCSと変革ツール

モニタリングツールとしてのBSC

バランス・スコアカードは、モニタリングツールとしても効果的です。
BSCを利用することにより、財務指標と非財務指標をバランスよく評価することができます。

 

例えば、アクションを実行した結果が下記の通りだったとします。
①財務の視点…売上高成長率:220%、営業利益率:16%
②顧客の視点…新規案件数:15件/月、リピート率:96%
③社内プロセスの視点…新規訪問件数:60件/月、プロセス改善数:1本
④学習と成長の視点…営業増員数:6人、研修実施数:2回/月

 

このような結果を踏まえ、業績と戦略を評価することができます。
つまり、売上高成長率は達成できたものの、営業利益率が達成できなかった原因として、売上高が増加したものの、利益率が低下してしまったとの評価結果となり、今後はコスト削減がテーマになるといったように戦略を見直すことができます。

 

他の視点ないし戦略テーマも同様に評価することが可能です。
”新規開拓が弱く”、”プロセス改善が進まず”、”スキル不足”が原因であれば、「営業力の向上」、「業務改善」、「新規開拓」が今後の戦略テーマになります。
このように業績や戦略の状況と結果をモニタリングするツールとしてBSCは機能します。

 

今後は、
①財務の視点…コスト低減
②顧客の視点…新規開拓
③社内プロセスの視点…業務改善
④学習と成長の視点…営業力の向上
新たな戦略テーマとなり、”3年以内に上場する”というビジョンを達成するために、具体的なKPIを再度設定し、目標値を数値化することにより、最終的な目標ないしビジョンを達成するまで、戦略をローリングして実行します。

 

BCSとモニタリングツール

 

バランス・スコアカードは、戦略を実行してミッション・ビジョンを達成するため、組織のマネジメント・変革・モニタリングツールとして効果的に機能します。
・マネジメントツールとしてのBSC
・変革ツールとしてのBSC
・モニタリングツールとしてのBSC
の有用性に着目し、自分の会社や部門の経営管理ツールとして役立ててみてはどうでしょうか。

 

 

まとめ

マネジメントツールとしてのBSC
☑ KPI(重要業績評価指標)の設定  ☑ 目標の数値化
BSCは、戦略の実行状況を定量的に評価できるツールとして効果を発揮する。

 

変革ツールとしてのBSC
☑ アクションプラン(実行計画)の策定  ☑ 組織・業務・社員の変革
BSCは、業務の改善や社員意識の変革を促進するツールとして効果的である。

 

モニタリングツールとしてのBSC
☑ 財務指標(利益率等)による評価  ☑ 非財務指標(改善数等)による評価
BSCは、業績や戦略の状況と結果をモニタリングするツールとして機能する。

 

バランス・スコアカードは、具体的なKPIを設定し、目標値を数値化することにより、
最終的な目標ないしビジョンを達成するまで、戦略をローリングして実行するものである。