内部監査人の採用難~内部監査人の採用事情について~

2020年02月13日

 

最近、「内部監査人の中途採用活動を行っているが、なかなか採用まで結びつかない。」「良い人材に巡り合えない。」といったお声をよくいただきます。
何故、内部監査人の採用活動が難しいのか?どの様な点が障害となっているのか?
今回は内部監査人の採用事情を踏まえ、他に対策が無いかどうかを考えてみます。

 


景況感と一般的な転職市場

2020年になり、オリンピックイヤーを迎えました。オリンピックの開催を今か今かと待ちわびていた方も多くいらっしゃるかと思います。
社会は盛り上がり、経済が活性化していく年になる事が期待されますが、現在までの景況感や、転職市場について見てみます。

 

2019年後半の景気動向指数を見てみると、実際の景気はそこまで上向いていない様です。製造業の悪化などが続いている状況で、また、消費税引き上げの影響などが大きなマイナス要因となっています。
とはいえ、2008年のリーマンショックや、2011年の東日本大震災の頃から比べると2017年、2018年までの景気動向指数は上り調子で来ており、ここにきて若干不透明感が出てきたという状況です。

 

一方で、2019年の有効求人倍率は1.63となっており、求職者1人に対し、1.63件の求人がある状況で、各企業の求人数は増加の一途をたどっています。社会の構造的な人材不足に加え、オリンピックの影響から企業の採用枠は増えている様です。
オリンピックは、観光需要の増加や、建設投資の増加等、経済に大きくプラスの効果を及ぼすと考えられています。それに伴って、事業展開やIPOなどを考える企業も増え、各企業が積極的に様々な分野で投資を行っており、人材確保にも力を入れているという構造になります。
1980年代後半から1990年代前半にかけたバブル期のなかでも最も有効求人倍率の高かかった、1990年の有効求人倍率が1.43であったことと比較しても、近年は非常に売り手市場という事が見てとれます。
一般的な転職市場は好況を迎えている様です。

 

内部監査人の転職市場

一方で、内部監査人の転職市場についても見てみます。
ガバナンス強化や組織の拡大に伴う内部監査のニーズは多く、こちらも求人数の増加は続いている様です。
ガバナンス欠如や、不祥事による問題が連日の様にニュースを賑わせており、内部統制の構築や、内部監査の強化を考える企業が増え、採用枠が増えています。

 

では、内部監査室での職務経験を持った求職者事情についてはどうでしょう。
内部監査職は、上場企業を中心とした一定水準の規模感の企業にしかない職種であり、さらに一社に対して数名しかいません
また、内部統制や、内部監査の必要性が本格的に高まってきたのはここ数年の話で、まだまだ内部監査室の設置をしていない企業は多く存在します。
これらの事から、内部監査室を経験している人材は、非常に希少です。
その様な希少な内部監査経験者の方たちを、多くの企業の求人枠で奪い合う構造が見てとれます。
ガバナンスの強化や組織の拡大に伴い、「増加している内部監査の需要」に対し、転職市場には「数少ない内部監査経験者」しかいないという構図になります。

 

内部監査人採用のハードル

内部監査室での勤務経験者の数が転職市場にそもそも少ないこと以外にも、内部監査人を採用するにあたってのハードルは、以下のようなことが考えられます。

 

■求められる知識や経験が多い
内部監査人は企業の幅広い業務内容を深く理解し、問題点を改善するための専門的な知識も求められます。
一つに特化した専門知識だけが求められるわけではないので、「未経験からの転職は難しい」とされています。
例えば、システムの評価作業を行おうと思うと、経理や会計の知識だけではなく、システムの現場で使われる言語の理解が必要になってきます。「字面では間違えはないが、内容があっているかわからない。」というのでは評価とは言えません。

 

■求職者に高齢者が多い
長く企業勤めをして様々な部署を経験し、業務の理解を深めていれば知見もあがっていますが、それに伴い年齢もあがっています。一定水準の業務理解が求められることや、幅広い豊富な知識を要することから、転職を希望される方も、ある程度年齢の高い方が多くなるようです。
高齢であれば採用をしても何年もいられる人材ではありませんので、また数年後に採用活動を行わなければいけなくなるといった事態が想定されます。

 

■採用単価が高い
「担当者が高齢な事」や、「内部監査室の業務の難易度が高い事」、「内部監査担当者を設ける企業が大手企業に多い事」から、内部監査人の採用に掛かる採用単価は、一般的に高いといったお声もよく伺います。公認内部監査人や、公認会計士などの有資格者を採用しようとするとなおさらです。外資系の企業であれば語学も求められることも多いので、さらに単価は高くなり、退職の可能性を考えると、より採用のハードルは上がります。

 

内部監査人採用難の対策

これまで見てきたように、内部監査人の採用は厳しい状況が想定されます。
その様な内部監査人採用難の対策の一つとして、外部のリソースを活用する方法があります。

 

外部リソース活用の方法としては、以下の3つが挙げられます。
①J-SOX評価や内部監査における作業の、全部を外部に委託する方法
要所要所での最終確認や、スケジュール管理のみを社内のリソースを使って行い、作業の部分を全て外部のリソースを活用した形で「J-SOX評価」、「内部監査」の対応を行う方法があります。
コストの面から見ても、専門の知識を持った正社員一人を雇うよりも安く運用ができ、退職の恐れもなく、必要な時に必要な経験・スキルを備えた人材を活用する事が可能です。

 

②J-SOX評価や内部監査における作業の、一部の作業ワークのみを外部に委託する方法
自社には、内部統制評価ないし内部監査機能を残しながら、一部の作業ワークのみを外部外部のリソースを活用した形で「J-SOX評価」、「内部監査」の対応を行う方法があります。
内部統制評価の部分であれば、専門性の高い「IT全般統制の評価」や、作業ボリュームの多い「業務プロセス統制の評価」だけに外部リソースを活用します。
内部監査の部分であれば、「経理の部署監査」や、「システム関連の部署監査」、「海外拠点の監査」のみを外部に委託することが可能です。

 

③J-SOX評価や内部監査における作業を、期間を限定して外部に委託する方法
企業の繁忙期や、担当者の休職など、特定の時期のみ「J-SOX評価」、「内部監査」を外部に委託する方法があります。
ある企業様では、担当者が産休に入られてしまう間のみ、外部リソースを活用して担当者の業務をまわしています。
企業様のご都合に合わせて、退職ないし休職する社員の作業補完を目的として、必要な時期に、必要な作業のみを委託し、作業要員を柔軟に調達することが可能です。

 

もし内部監査人が不足して困っている様であれば、一度ご検討されてみるのも良いのではないでしょうか。

 

 

 

まとめ

景況感と一般的な転職市場
・2019年後半の景気動向指数を見てみると、実際の景気はそこまで上向いていない。
・一般的な転職市場は好況を迎えている。
内部監査人の転職市場
・ガバナンス強化や組織の拡大に伴う内部監査のニーズは多く、こちらも求人数の増加は続いている。
・内部監査室を経験している人材は非常に希少。
内部監査人採用のハードル
 ■求められる知識や経験が多い
・一つに特化した専門知識だけが求められるわけではなく「未経験からの転職は難しい」とされている。
 ■求職者に高齢者が多い
・幅広い豊富な知識を要することから、転職を希望される方も、ある程度年齢の高い方が多くなる。
 ■採用単価が高い
・内部監査人の採用に掛かる採用単価は、一般的に高い。
内部監査人採用難の対策
 ①J-SOX評価や内部監査における作業の、全部を外部に委託する方法
 ②J-SOX評価や内部監査における作業の、一部の作業ワークのみを外部に委託する方法
 ③J-SOX評価や内部監査における作業を、期間を限定して外部に委託する方法
の3つがある。

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