決算日程を早めることが目的ではない?~決算早期化の本当の目的

2016年08月18日

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今回は、決算早期化について考えてみたいと思います。
決算早期化は”古くて新しい課題”と言えるかもしれません。決算早期化がトピックスとしてもてはやされたのは約20年前まで遡ります。当時は、月次連結がまだ目新しい時代で、月次決算のスピードを早め、迅速な意思決定をしようというのが当時の企業の関心事としてありました。また、ERPや新しいシステムに切り替えようとした際には、必ずと言って良いほど上がったテーマが「決算早期化」でした。


決算早期化の本当の目的

決算早期化は、当たり前ですが、決算日程を短縮させることが目的です。
「月次決算に10日以上かかっているので、5日程度に早めたい」
「四半期決算を45日ギリギリでは無く、翌月内開示を達成したい」
決算データを早期に確定し、経営者に迅速な意思決定を促すことが狙いです。
しかしながら、現在においては、その目的は変遷してきているように感じます。つまり、単に”決算を早める”ことが目的ではなく、むしろそれは結果で、
本当の目的は、
・決算早期化:業務の無駄を排除する
・決算早期化:作業負荷を軽減する
の2つにあるのではないかと考えています。
この2つの目的を達成した結果、決算早期化が達成されるのではないでしょうか?

決算早期化:業務の無駄を排除する

決算早期化を達成するためには、業務およびシステムの双方から課題を抽出し、その課題(早期化阻害要因)を解決・改善しなければなりません。その際には、業務上の無駄を徹底的に排除することがポイントになります。
例えば、今まで10日間という時間をかけて対応してきた作業を5日間で完了させるのですから、余分な作業をしている時間や暇はありません。
今までの業務を俯瞰し、徹底的に無駄な作業を無くすことで目的を果たそうとします。
改めて業務を見直してみると、意外と無駄な作業をしていることが多いものです。「昔からやっている作業なので継続している」、「報告のための報告資料を作成している」そんな無駄なことをしている会社も珍しくありません。
決算早期化は、例えば5日で作業完了させるといった目標を達成するために、如何にして業務上の無駄を排除するかにその意義があります。

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決算早期化:作業負荷を軽減する

決算を担当している経理担当者は、決算の時期はとても忙しく、例えば、3月決算の企業に勤めている経理担当者であれば、決算は5月まで作業が続き、「ゴールデンウィークもゆっくり休めない」といったことは珍しくありません。特に連結決算を担当していれば、連休を潰して作業していることも多いのではないでしょうか。
決算早期化は、そのような事態を防ぐことができます。
ある会社さんの例では、元々45日ギリギリのゴールデンウィーク明けに決算発表していたのを10日以上の決算日程を短縮して翌月内開示を達成し、「ゴールデンウィークはゆっくり家族と過ごせた」「初めてゴールデンウィークを完全に休めた」といった社員の声を数多く聞きました。
決算早期化は、無駄な作業を無くすことで、余分な作業にかける時間を減らし、作業負荷を軽減させることが可能となります。

 

決算早期化の成功事例

決算早期化はコスト削減ツールとしても有益

決算早期化は、業務上の無駄を無くし、作業負荷を軽減させます。
このことから決算早期化は、財務的な効果も享受することができます。業務上の無駄を無くすことで、作業時間が大幅に削減されます。
例えば、休日出勤の必要が無くなるかもしれません。作業負荷を軽減することで、残業が大幅に減るかもしれません。休日出勤や残業が削減できることで、結果的にコスト削減に繋がります。
ある会社さんの事例では
決算早期化に取り組んだ結果、年間で一千万円近いコストが削減できた!」
との報告もあります。
決算早期化は、間接部門が取り組むコスト削減ツールとして有益です。
大掛りなシステムの変更をしなくても、業務改善だけで取り組めることも多いです。
一度、業務改善の面から、決算早期化に取り組んでみては如何でしょうか。

 

決算早期化の意義

まとめ

・決算早期化の本当の目的
☑決算早期化:業務の無駄を排除する
☑決算早期化:作業負荷を軽減する
・業務の無駄を排除する
☑昔からやっているという理由だけで作業していないか?
☑報告のための報告資料を作成したりしていないか?
・作業負荷を軽減する
☑休日出勤や残業が当たり前になっていないか?
☑ゴールデンウィークはゆっくり休めているか?
・決算早期化はコスト削減ツールとしても有益

 

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