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海外監査におけるフォローアップ~海外拠点に対する改善・指導~

2018年04月12日

 

内部監査のプロセスとして、実施した監査結果を被監査拠点に報告し、改善を促すことになります。
改善した結果を確認するのが、フォローアップ監査です。
海外拠点のフォローアップ監査では、改善の指示だけでなく、改善方法まで具体的に説明し、細かく改善の進捗状況をモニタリングすることまで必要になります。

 

遠隔地であるため、なかなかコミュニティを取りづらい面もありますが、電子メールやWeb会議を積極的に利用する等、海外拠点とは日本拠点以上に密にコミュニケーションを取って対応すべきです。

 

今回は、海外拠点におけるフォローアップ監査のポイントについて触れていきます。

 


海外拠点におけるフォローアップ監査のポイント

フォローアップ監査は、以下のステップで進めていきます。
①改善勧告書の作成
②改善指導
③改善報告書の受領

 

①改善勧告書の作成
監査の結果、検出された問題点や課題事項及びその改善策について、改善勧告書に取り纏めを行います。海外拠点の監査においては、改善勧告書を現地担当者にも共有するため、必要に応じ、翻訳も行います。

 

海外拠点では、“監査”に対する理解が不足していることから、改善対応に対する抵抗が生じることがあります。そこで、現状のリスクや改善の目的・メリット、具体的な対応案まで提示・説明する必要があります。

 

②改善指導
海外拠点では、指摘事項に対する改善の実施が後ろ回しになる傾向があります。
そこで、改善策実施の工程やマイルストーンを明確にしておくべきです。
また、適宜コミュニケ―ションを取りながら、改善策の実施状況をモニタリングすることも必要です。

 

③改善報告書の受領
海外拠点から改善報告書(改善策の実施結果の報告)を受領し、改善状況を確認します。
まずは、電子メールやWeb会議等を利用し、改善状況を確認することになりますが、改善策の進捗が良くない場合や、改善の目的を理解しておらず、適切に改善が行われていない場合等、必要に応じて往査(海外出張)も検討します。
状況によっては、改善事項の確認を次年度における重点監査項目とし、次年度の往査で改善状況を確認することも考えられます。

 

海外拠点に対するフォローアップ監査では、コミュニケーションを密にして、“説明”と“報告”を繰り返し、フォローを行うことがポイントです。
コミュニケ―ションを密にすることにより、監査に対する信頼感が生まれ、改善活動も進みます。

 

 

海外拠点の成熟度別での改善指導

一口に海外拠点と言っても、拠点によって成熟度(設立年数や規程類の整備状況等)が異なります。海外拠点の成熟度に応じ、監査の対応を変える必要があります。

 

設立後間もない海外拠点の場合は、アシュアランス(保証)よりコンサルティング(改善・指導)が中心になります。
コンサルティング(改善・指導)から始まり、改善状況を監視(アシュアランス)し、さらにコンサルティング⇒アシュアランスというサイクルを繰り返し実施します。

 

以下は、設立後間もない海外拠点における重要項目の例になります。

 

☑ コンプライアンス:労務管理、情報漏えい、リベート等
☑ ルールの整備:規程類・マニュアル、チェックリスト等
☑ チェック体制:請求書のクロスチェック・承認記録等

 

設立後年数が経っている海外拠点の場合は、コンサルティング(改善・指導)より、アシュアランス(保証)が中心になります。
設立後間もない子会社の場合とは逆に、アシュアランス(保証)から始まり、監査結果を踏まえ、改善を促し(コンサルティング)、アシュアランス⇒コンサルティングというサイクルを繰り返し実施します。

 

以下は、設立後年数が経っている海外拠点における重要項目の例になります。

 

☑ルールの順守状況:セキュリティや人事制度等
☑ ルールの見直し・更新:法制度や環境の変化等
☑ 定期的な報告:事業状況やトラブル等の報告・確認

 

新規に設立した会社の場合は、そもそもルールができていないことが多くあります。
買収した子会社の場合は、ある程度文書化されていますが、親会社のルールに沿っているかという視点で見直しが必要です。

 

海外子会社の成熟度(設立年数や規程類の整備状況等)を踏まえ、コンサルティング(指導)を主体とした監査を行うのか、アシュアランス(監視)を主体とした活動を行うのか選択して、フォローアップ監査を行う必要があります。

 

 

海外拠点における改善策検討の考え方

課題に対する改善について、海外拠点単独では、なかなか進まないことが多くあります。
また、海外特有の事情も加味しながら、改善策を検討する必要があります。
どのように改善策を検討していくべきなのでしょうか。以下の2つの考え方を元に、改善策を検討することをお勧めします。

 

■親会社のルールをベースに、現地の法令や事情を勘案する
新規に設立した会社の場合は、原則親会社のやり方に合わせていきます。
買収した子会社の場合でも、グループ統一の基準を適用させます。
その上で、現地の法令や慣行・リスクを踏まえ、一部のみローカライズするという形で進めます。

 

■現地の監査法人や海外専門家等をうまく活用する
自社の状況を共有する等、適宜コミュニケ―ションを取りながら、現地の法制度対応は現地を熟知している専門家に一任します。
現地の監査法人や海外専門家等の意見をうまく取り入れ、改善策を検討します。ただし、専門家の選定は日本本社が主体で行うべきです。

 

まずは、日本のルールを横展開し、差分のみローカライズ(現地化)させます。現地法対応については、日本本社が現地の法務・労務・会計の専門家を選定した上で、現地の法制度対応を進めていきます。

 

 

海外拠点は物理的に距離が離れているため、適切に情報共有を行うことが難しく、改善活動もなかなか進まないことがあります。
現状のリスクや改善の目的・メリット、具体的な対応案まで説明し、改善事項の子会社から改善状況の報告を求めるだけでなく、親会社の方から海外拠点に対して積極的にコミュニケーションを取り、改善策の説明を丁寧に行う必要があります。
親会社の指示・依頼内容を納得・理解させ、改善を促していくことをお勧めします。

 

特に、成熟度(設立年数や規程類の整備状況等)が低い海外拠点については、改善・指導(コンサルティング)を軸にし、監査を行うことが求められます。

 

 

 

まとめ

海外拠点におけるフォローアップ監査のポイント
改善勧告書は現地担当者にも共有するため、必要に応じ、翻訳も行う。
☑改善策実施の工程やマイルストーンを明確にし、適宜コミュニケーションを取りながら改善指導を行う。
☑改善策の進捗が良くない場合、必要に応じ、往査(海外出張)も検討する。

 

海外拠点の成熟度別改善指導のポイント
☑設立後間もない海外拠点の場合は、アシュアランスよりコンサルティングを中心とする。
☑設立後年数が経っている海外拠点の場合は、コンサルティングよりアシュアランスが中心になる。
☑成熟度(設立年数や規程類の整備状況等)を踏まえ、アシュアランス・コンサルティングを選択する。

 

海外拠点における改善策検討のポイント
☑親会社のルールをベースに、現地の法令や事情を勘案する。
☑現地の監査法人や海外専門家等をうまく活用する。
☑日本のルールを横展開し、差分のみローカライズ(現地化)させる。
☑親会社の方から海外拠点に対して積極的にコミュニケーションを取り、改善策を丁寧に説明する。

 

海外拠点における監査報告、往査の実施に関するポイントについて、以下にアップしております。こちらも併せてご確認ください。

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