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導入課題を解決!
~アウトソーシングで変わるシステム導入プロジェクト~

2025年11月13日

 

デジタル変革が企業競争力を左右する時代、ITソリューションの活用は、競争力強化のための重要な手段の一つとなっています。
しかし、実際に業務効率化や働き方改革に繋がる可能性のあるITソリューションを選び、導入プロジェクトをスタートしても、予定通りに進まないケースをよく耳にします。それらのケースを紐解いていくと、ユーザー企業側の人的リソースが足りていないことが原因の一つであることが多いようです。ユーザー企業側での検証が不十分だったことが引き金となり、最悪の場合、新システム稼働後に業務が停止してしまったという事例もあるようです。そこで今回は、これらの解決策にもなりうる「アウトソーシング」を活用したシステム導入についてご説明します。まずはシステム導入の主な工程やよくある課題を整理し、改めて「アウトソーシング」のメリット、実際の活用事例をご紹介します。

 

システム導入の主要な工程と役割分担

新しいシステムを導入する場合、実際にそのシステムを使い始めるまでには、いくつかの工程が必要となります。そして各工程ごとに、システムを開発・導入するベンダー企業と今後新しいシステムを利用するユーザー企業で役割やタスクが分かれます。ここではその工程を4つに分け、工程ごとの内容と各企業が担うべき役割を整理していきます。

 

■要件定義工程
現状業務の課題を整理し、システムに求める機能や運用方針を明確化する工程
ユーザー:現在の業務課題・要件の整理・提示を行う
ベンダー:提示された業務要件を実現するため、システム(技術)要件を整理する

 

■設計・開発工程
要件を基にシステム構成や画面、データベースを設計し、プログラム開発を行う工程
ユーザー:提示された設計が、業務に合致しているか確認する
ベンダー:設計書の作成、システム開発および品質管理を行う

 

■テスト・受入工程
開発されたシステムが要件通り動作するかをテストする工程
ユーザー:実運用を想定した受入テストを実施する
ベンダー:各種(単体、結合、総合)テスト、不具合対応・管理を行う

 

■移行・初期運用工程
旧システムから新システムへのデータ移行、現場ユーザーへの教育研修を行う工程
ユーザー:運用マニュアルの作成、社内教育を含めた運用体制の整備・定着を図る
ベンダー:移行支援や初期トラブル対応、教育支援を行う

 

各工程と主要な役割を整理しましたが、与えられた役割、タスクの中で課題やトラブルが発生し、当初のスケジュール通りに進まなくなることがあります。そこで次項では、ユーザー企業側に焦点を当て、工程ごとのよくある課題を見ていきたいと思います。

 

 

ユーザー企業が抱えるよくある課題

ユーザー企業側のシステム導入担当者は、システム導入プロジェクトの専任、専属ではなく、通常業務と兼務をしながら進めていくケースが多いです。また、過去にシステム導入を経験したことがある担当者が、導入プロジェクト体制にアサインされるというケースは少ないのではないでしょうか。そのような状況の中で、ユーザー企業側が直面するよくある課題としては、以下が挙げられます。

 

■要件定義工程
・業務要件が不明確で目的や優先順位が定まっていない。
現状(As-Is)の可視化が不十分であることが原因となり、スコープや課題が曖昧なまま要件定義が進んでしまうことがある。結果として大量かつ不要な追加要件が発生し、コスト増大を招いてしまう。

 

■設計・開発工程
・レビュー体制が不十分かつ設計内容が理解できず、ベンダー任せとなってしまう。
システム導入の経験者がいない、またノウハウ等がないことが原因となり、確認観点に漏れが発生することがある。画面・帳票仕様等の修正が、次フェーズになって発生し、スケジュール遅延が発生する。

 

■テスト・受入工程
・ユーザーテストの準備、実施体制の構築が難しい。
テスト人員が足りないことが原因で、スケジュール通りに終わらない。また準備したテストシナリオの観点が不足しており、稼働後にシステム停止等の運用トラブルが発生する。

 

■移行・初期運用工程
・現場ユーザーの新システムを使った新運用の理解が足りていない。
新システムの操作、現行からの運用変更業務への説明や理解が不足していることが原因で、運用後の定着率の低下、導入担当部門への問い合わせが増加する。

 

これらの課題は、導入スケジュールやコストにも影響を与える、重要課題とも言えます。次項ではこれら課題に対して、「アウトソーシング」を活用した解決方法を整理していきます。

 

システム導入アウトソーシングのメリット

システム導入において「アウトソーシング」を活用したメリットはいくつかありますが、ここでは前項までに挙げた4つの工程のうち、「要件定義工程」、「テスト・受入工程」、「移行・初期運用工程」の3工程の課題に対するメリットを説明していきます。

 

■要件定義工程
課題:業務要件が不明確で目的や優先順位が定まっていない。
メリット:可視化のノウハウがなく、偏ってしまいがちな現状整理を、第三者的な立場で客観的に行える。また、幅広い業務知識、システム知識をもとに、業務要件の明確化、優先度決定が可能となる。

 

■テスト・受入工程
課題:ユーザーテストの準備、実施体制の構築が難しい。
メリット:業務知識だけではなく、新システムの仕様理解・テスト設計・不具合分析といった多面なスキルが必要となるが、専門人材の知見・ツール・手法を活かし、品質を担保したテスト設計が可能となる。また、テスト実施は短期集中でリソースが必要となるが、外部リソースを活用することで、常設人員を抱えるよりもコスト効率が見込まれる。

 

■移行・初期運用工程
課題:現場ユーザーの新システムを使った新業務運用の理解が足りていない。
メリット:新システムの画面キャプチャ取得や校正等は単純ではあるが、手間がかかる作業のため、外部リソースを活用することで担当者の負荷軽減に繋がる。第三者的な立場での作成が可能なため、プロジェクト担当者では気が付かない観点での記述や全体の整合性担保が図れる。

 

このようにアウトソーシングを利用することで、ユーザー企業だけでは解決が難しい課題の解決し、追加的なメリットを享受することが可能となります。

 

アウトソーシング活用事例

最後に、具体的なアウトソーシング活用事例をご紹介します。

 

基幹システム導入プロジェクトにおけるアウトソーシング支援事例
■アウトソーシング背景
システム導入に関する知見がプロジェクトチームになく、リソース面でも苦慮していたため、アウトソーシングを決断。
特に受入テスト工程時のリソース不足による遅延を危惧しており、テスト専門会社を検討したが、幅広い知識やスケジュール推進、課題解決面での支援も必要と考え、コンサルタント会社に依頼。

 

■具体的なアウトソーシング内容
・受入テストパターン表作成
イレギュラーパターンも含め、網羅性が高いテストシナリオを作成するため、要件定義書等を整理しパターン表を作成
・受入テストシナリオ作成
パターン表をもとに第三者や有識者以外でもテスト実施ができるよう、確認観点等をシナリオとして文書化
・受入テスト実施
数百シナリオ、数千のチェック観点を分担しテストを実施、結果についてはダブルチェック
・受入テスト結果報告書作成
稼働判定や社内報告向けに受入テストの結果の取りまとめ
・課題不具合管理
受入テスト実施にともなう課題や不具合、それらの対応状況等を管理
・スケジュール管理
受入テストの進捗状況を日次で管理、担当者単位での配分調整

 

■アウトソーシングの効果
以下の2点が大きなメリットとして挙げられます。
・リソース面:体制強化により、テスト受入工程をプロジェクトスケジュール通りに完了させ、担当者の負荷を軽減
・品質面:ノウハウが無い中で、パターン表の整理・分析による網羅性が高い高品質のテストシナリオの作成

 

IT人材の不足が続いている中、自社要員だけでは手の届かないところに手が届く、「アウトソーシング」は有効手段の一つと言えます。

 

まとめ

システム導入では、要件定義やテスト工程を中心に課題が生じやすいですが、アウトソーシングの活用が有効な解決策の一つとして捉えられます。アウトソーシングにより、専門知識と客観的な視点を取り入れ、担当者の負荷を軽減しながら、スムーズで確実なシステム導入が実現可能となります。

 

■システム導入の主要な工程と役割分担
システム導入は、「要件定義」、「設計・開発」、「テスト・受入」、「移行・初期運用」の4工程があり、各段階でユーザー企業とベンダー企業が異なる役割を担う。

 

■ユーザー企業が抱えるよくある課題
ユーザー企業の導入担当者は多くが通常業務との兼務で経験が不足しているケースが多い。要件の不明確化やレビュー不足、テスト体制の不備、運用定着の低下が発生し、スケジュールの遅延やコスト増大に繋がることもある。

 

■システム導入アウトソーシングのメリット
要件定義工程では客観的な現状整理と要件明確化、テスト工程では専門知識を活かした品質向上とコスト効率化、移行工程では負荷軽減と整合性確保が可能となり、ユーザー企業が抱える課題解決に有効である。

 

■アウトソーシング活用事例
システム導入で知見・リソース不足を補うため、受入テスト工程を中心にコンサル会社へアウトソーシングを実施。テスト設計・実施・管理を支援し、スケジュール遵守と担当者負荷軽減、網羅性の高い高品質テストの実現に成功した事例がある。

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