2016.12.15

ITグランドデザインとは?~システム投資を行う際に必要となること~

 

システム投資と一口に言っても、業種や業界、所属部門によって様々なシステムが挙げられると思います。効果的なシステム投資を行うためには、予め、システム投資の優先順位を定めたITのグランドデザイン(IT投資の計画)を立てることが必要です。
今回は、ITグランドデザインをテーマに、 IT企画ご担当者様の目線で、課題や実施のポイントを確認していきたいと思います。

 


目次

目次1    ITグランドデザインとは
目次2    ITグランドデザインのために必要な要素とは
目次3    ITグランドデザインの課題
目次4    課題解決の方法
目次5    ITグランドデザインの狙い


 

ITグランドデザインとは

システムにはユーザー部門の担当者、上長、情報システム部門など多くの人が関わります。
システムが対象とする業務領域が広ければ広いほど、関係者は増えていきます。そうなると、部門毎や担当者ごとにシステムへの要望が異なることも少なくありません。全員の要望を全て取り入れようとすると、必要なシステムや機能が際限無く増えてしまい、システム投資の額も膨大なものとなります。

 

ITグランドデザインとは、限られたシステム投資予算を最適に配分するためにシステム投資の方向性や計画を定めることです。

 

 

ITグランドデザインのために必要な要素とは

それではまず、ITグランドデザインを策定する上で、必要な要素を確認していきたいと思います。

 

①「会社の戦略」と「システムの方向性」を合わせる
IT投資は、企業のビジネスを支えるために行うものです。企業経営の屋台骨になる、とも言えます。
企業のITには様々な人が関わります。そして、それぞれの人がシステムに対する要望を持っています。予算や人員が限られるなか、全ての要望に応えることはできません。
IT投資を企画するにあたっては、「会社の戦略」を踏まえて「システム投資の方向性」を定める必要があります。そうすることにより、IT投資予算を企業戦略に合わせて配分することができるのです。

 

②システム課題を洗い出し、システムの将来像を描く
ITグランドデザインを策定するにあたっては、現在のシステム課題を洗い出す必要があります。そのうえで、「システム投資の方向性」も踏まえて、システム投資を行うべき領域を定め、システムの将来像を描く必要があります。
システムの全体像を描くことにより、目指すべき姿を企業の共通認識として、定義付けることができるのです。

 

③費用対効果を見極める
①②の結果、仮に「生産管理のシステムを強化すべきだ」という解が導き出されたとしても、それだけで結論とする訳にはいきません。最後に、システム投資の費用対効果を考える必要があります。
ITグランドデザインを策定する上では、費用に対してどれぐらいの効果が得られるかという点も考慮したうえでシステム投資の優先順位を決める必要があります。

 

 

 

ITグランドデザインの課題

ITグランドデザインを策定するにあたり、直面する課題にはどのようなものがあるのでしょうか。以下に、ITグランドデザイン検討の際によくある課題を挙げます。

 

①最新のシステム・IT情報を入手することができない
ITの世界は日々進化しています。数年前は常識とされていたことが、非常識となる事も少なくありません。
また、IT投資を企画する上では、新たな技術を取り入れた取り組みなども考慮したいところですが、同業他社の事例も含め、最新の情報を入手するのは難しいものです。

 

③どのように費用対効果を分析すればよいかわからない
ITグランドデザインでは費用対効果を見極めることが重要とお伝えしましたが、実際に費用対効果を分析するとなった場合に、どのように考えればよいかわからない、という方も多いと思います。
また、企画段階では、実現したいシステムや機能に対して、どれだけの費用がかかるかも判断が付かないことが多いです。
このように、実際に費用対効果を考えようとすると、悩む点は多いかと思います。

 

 

 

課題解決の方法

上述の課題の解決策としては、以下のような方法が考えられます。

 

①ベンダーを利用した情報収集
最新のIT技術や同業他社事例などの情報は、ベンダーが持っていることも多くあります。
ベンダーを利用することで、それらの情報を参考にしながら企画を立てることが可能です。また、IT投資費用の目安についても、ベンダーから提示してもらうことができます。
しかし、ただベンダーに質問をしても当たり障りのない答えしか得られない可能性が高いです。その問題を解決するための方法として、RFI(情報提供依頼書)を活用することが考えられます。
(RFIについては、こちらの記事で解説しています。【システム選定の第一歩~RFIの作成とその効果】)
RFIを作成することにより、ベンダーに必要な情報を整理して伝えることができます。
また、RFIを通じて、ベンダーに対して本格的にシステムを検討していることも伝えられ、ベンダーからもより本気の回答を得られる可能性が高くなります。

 

②費用対効果の考え方
最も分かりやすい費用対効果として、
「10人で行っていた現場の作業が2人でできるようになった」
といった人件費の削減効果があります。
また、情報システム部門の方に関わりが深いものとして、システムの運用コストの削減(保守費用逓減、運用負荷の軽減)というものも挙げられます。

 

ただ、それだけでは費用が減る、という効果だけになってしまいます。
IT投資の効果はそれだけではないはずです。

 

例えば、IT投資により日々の事務作業が軽減されれば、業務に携わっている人が本来注力すべき業務に専念できるようになります。そのような視点で効果を測ってみることも重要だと思います。
商品開発担当者の事務作業が減れば、減った作業時間を新たな商品開発に充てることができ、その分多くの新商品を生み出すことが期待できます。その新商品が利益を生むことを考えれば、効果は単に工数の削減だけではない、と言えます。

 

また、定量的に測れない効果として、会社としてのリスク削減があります。
会計システムを変更するのであれば、内部統制に対応できるものや、不正やミスをなくすための仕組みをもったシステムにすることで、リスクを削減したり、リスク抑制のために必要な負担を軽減することができます。

 

このように、単に費用を削減するだけではなく、様々な視点から効果を考える必要があります。

 

 

 

ITグランドデザインの狙い

ITグランドデザインを策定する一番の狙いは、会社の方向性と合わせたIT投資企画を立案し、経営者や現場のユーザーにシステムを構築する目的を理解してもらうことです。
そのためには、現場のユーザーの方々にも参画していただいて、皆の納得が得られる企画に纏めていく事が大切です。

 

この記事が、ユーザーからも納得を得られる企画策定の一助になるようでしたら幸いです。

 

 

まとめ

ITグランドデザインとは
システム投資の方向性を決定すること
方向性決定のための全体にわたる計画や構想を、グランドデザインとも呼ぶ

 

ITグランドデザインに必要な要素
☑「会社の戦略」と「システムの方向性」を合わせる
☑システム課題を洗い出し、システムの将来像を描く
☑費用対効果を見極める

 

ITグランドデザインを策定するうえでのポイント
☑ベンダーも利用して、ITの最新情報や同業他社情報を入手する(RFIを活用するのも効果的)
☑費用削減に加えて、様々な視点から費用対効果を検証する