システムで実現する働き方改革~生産性とワークライフバランスの両立とは~

2020年01月09日

 

2019年は働き方改革関連法案の一部が施行され、企業にとって「働き方」が大きな経営課題となった年でした。
企業は働き方改革を通して労働生産性を高め、日本の労働力不足を解消しなければならないとされています。
しかしその中で求められている長時間労働の是正や、多様な働き方の実現などを行い、これまで以上の利益を挙げることは果たして可能なのでしょうか。
その答えはYesであるはずです。実現方法として、システムを活用することで労働生産性を向上し、従業員のワークスタイルに変革を起こすことができます。
今回は働き方改革の3本柱の内、システムで解決することができる①長時間労働の是正、②多様な働き方の実現に対して、どのように活用すれば労働生産性を向上させ、働き方改革を実現できるか考察したいと思います。

 


システムで行う働き方改革

まず働き方改革とは何か、改めて簡単におさらいしておきましょう。
働き方改革とは、働く人々が各々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を選択できるようにするための改革です。
日本の人口は2008年をピークに減少の一途を辿っており、このままでは深刻な労働力不足が起こると懸念されています。
そこでこの問題を解消するため、働き手を増やし、出生率を上昇させ、労働生産性の向上を図ることが目的となっています。
この改革は、
①長時間労働の是正
②多様な働き方の実現
③正規・非正規の不合理な処遇差の解消
を3本柱としており、企業はこれらの実現を求められています。

 

しかし労働力不足解消のためにこれらの背策を行うことは、一見すると相反する行為に思われます。
例えば①長時間労働の是正で言うと、人手不足の企業がこれを行えば総労働時間が減少してしまい、企業の競争力を弱めてしまう可能性があります。
また②多様な働き方の実現に言われるような勤務場所や勤務時間を限定しない自由度の高い働き方は、情報伝達やコミュニケーションロスにより作業の効率が低下する危険性があるのではないでしょうか。

 

この日本のワークスタイルを根幹から揺るがす変革に、企業はどの様な対策を講じればよいのでしょうか。
その答えの1つに、業務のシステム化があります。
そもそも業務をシステム化するメリットとして、
・単純作業を自動化することで業務の総量が減る
・24時間休みなく業務を処理することができる
・職場にいなくてもシステムにアクセスできればどこでも業務を行うことができる
ことなどが挙げられます。つまりこれらのメリットを有する業務のシステム化を推進することで、働き方改革を実現することができるのです。

 

それでは次に、どのようなシステムを導入することで働き方改革の実現ができるのか、システムにて解決できるとされる①長期労働の是正、②多様な働き方の実現について見ていきましょう。

 

業務の自動化による生産性向上

①長時間労働の是正について、この実現を難しいものとしている課題はいくつかあります。
代表的な例を挙げると、✓企業の人手不足による業務過多、✓管理職のマネジメント能力不足などです。
人手不足によって社員一人当たりの業務量が多いこと、そしてプレイングマネージャーである管理職も大量の業務を行い、本業であるマネジメントに専念できず部下の労働時間管理が疎かになってしまうことが、長時間労働の原因となっているのではないでしょうか。
そのためこの課題を解決するには、業務をシステム化することで高効率化を図り業務の総量を削減する必要があると考えられます。
つまり人が行っている業務をシステムにやらせることで、同じ業務にかかっていた時間を大幅に削減するという方法です。
具体的にはRPAに代表される業務の自動化ツールを導入することで、業務の総量を減らし従業員一人当たりの負担も削減できると考えられます。
RPAとは事務作業を担うホワイトワーカーがPCなどを用いて行っている一連の作業を自動化できる「ソフトウェアロボット」のことです。
参照 『RPA』とは何か?~間接業務の自動化ツール~

 

このツールを導入することによって、構造化されたデータの収集・統合、システムへの入力、単純なバックオフィス業務などをシステムが自動で行うことができます。
このように定型業務を自動化し人が行う業務の総量を削減することによって、従業員一人当たりの業務量も減り長時間労働の是正を行いやすくなるのではないでしょうか。

 

ワークライフバランスを実現するテレワーク

次に②多様な働き方の実現について、これは主に制約社員の労働参加を促すことが目的とされています。
制約社員とは、子育てや介護、病気やケガなど様々な事情により働く場所や時間に制限がある社員のことを指します。
従来の画一的な働き方では勤務場所に制限があるため、働くこと自体に制約社員は困難を余儀なくされてきました。
しかしこれは社員や企業にとっても不幸なことです。
そんな状況を打破することができるワークスタイルが、テレワークの導入です。
テレワークとは、ICT(Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
これまでテレワークの導入は、社員同士で顔を合わせることができないため、スムーズなコミュニケーションを行うことができない点や適切な勤怠管理ができない点などが問題視されていました。
しかし昨今はskypeやzoomなどのWEB会議システム、Slackに代表されるコミュニケーションツールを活用することで、対話をサポートしスムーズなコミュニケーションを実現できます。
また勤怠管理についても、テレワークを行う社員は勤務時にWEB会議システムからオフィスに常時接続するというルールを設けることで、会社側が勤怠状況を適切に把握することができます。
このようにこれまでのワークスタイルでは実現が難しかったテレワークも、システムを活用することにより実現のハードルを下げることができるのではないでしょうか。

 

働き方改革の実現に向けて

ここまで①長時間労働の是正、②多様な働き方の実現を、システムを用いてどのように実現するかを検討してきました。
ここからは、それぞれの課題に対して何をすることで働き方改革を実現することができるのかを考えたいと思います。

 

まず①長時間労働の是正をするために、RPAを活用して業務の総量を減らすという方法ですが、最初にRPAにて自動化できる業務を判別しなければなりません。
そのためにまず自動化の対象となる業務プロセスそのものを明確にする必要があります。
具体的には現在人の手に頼っている手作業の業務、改善したい業務の棚卸を行うことです。
この作業を行うことで業務の流れが見える化し、改善ポイントを明らかにすることができます。

 

また②多様な働き方の実現に対しては、テレワークの導入を検討しました。
場所や時間を選ばずに柔軟な働き方を実現するために、WEB会議システムやコミュニケーションツールを活用することで、遠隔地にいる社員と円滑なコミュニケーションを図るという方法です。
これを実現するにあたり重要になってくるのは、テレワークに使用する端末のセキュリティーリスク対策です。
テレワークの問題として、社員が社外で作業をすることで情報漏洩のリスクが高まるというものがあります。
そのため自宅や移動しながら働く社員が使用する端末のセキュリティーに対して、十分な対策を行うことが必要です。
まずテレワークの運用を想定して、社内のセキュリティーポリシーを見直す必要があります。
その上で、ウィルス対策ソフトの導入やパスワード管理の徹底など、セキュリティ対策を万全に行います。
加えてテレワークの対象社員に、情報セキュリティやトラブル時の対応などに関する研修を実施することも大切です。
これにより社員自身がセキュリティに関する意識を高め、情報管理上の事故を防止することに繋がります。

 

システムは近年、目覚ましいスピードで発展を遂げています。
その背景には、ワークスタイルの変化、新たな価値観の誕生など、ビジネスや社会を取り巻く大きな事象があります。
社員一人一人の多様な価値観の尊重が求められる新しい時代だからこそ、時代の変化とともに進化を遂げてきたシステムと新たな働き方を実現することが大切なのではないでしょうか。

 

 

 

まとめ

・システムで行う働き方改革
☑ 働き方改革の課題である①長時間労働の是正、②多様な働き方の実現は、業務のシステム化を推進することにより解決できる。

 

・業務の自動化による生産性向上
☑ 長時間労働の是正が難しい理由に、人手不足による業務の過多、管理職のマネジメント能力不足がある。
☑ RPAなどのツールで定型業務を自動化し、業務の総量を削減することで社員の負担も削減できる。

 

・ワークライフバランスを実現するテレワーク
☑ Web会議システムやコミュニケーションシステムを利用することで、職場にいなくとも円滑なコミュニケーションをとることができる。
☑ 勤務中はWeb会議システムを常に接続しておくなどのルールを設けることで、オフィスにいなくても適切な勤怠実績を把握できる。

 

・働き方改革の実現に向けて
☑ RPAにて自動化するためには、最初に手作業の業務、改善したい業務の棚卸をすることで、業務の改善ポイントを見つけることができる。
☑ テレワークを適切に導入するためには、セキュリティー対策や社員の意識改革を行うことで、外部に情報が漏洩するリスクを防ぐことができる。

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