BIツールのメリット ~BIツールとExcelを使い分けるコツ~

2019年10月31日

 

企業内に蓄積したデータを活用する重要性は益々高まっており、最近では現場部門が主導で、データを分析するニーズが増えてきています。多くの企業では、従来から使い慣れたExcelを利用して、様々なデータの分析を行っているのではないでしょうか。
しかし、Excelでの作業に限界を感じ、分析作業を効率化するために、BIツールの導入を検討する企業も多いようです。
今回は、BIツールのメリットを紹介するとともに、BIツールとExcelの"最適な使い分け"について考えていきたいと思います。

 


BIツールとは ~BIツールとExcelの違い~

BIツールの「BI」とは、「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略語で、企業の各部署がそれぞれに蓄積している膨大なデータを、収集・蓄積・分析・加工し、経営意思決定に活用することを言います。この「BI」を支援するために、データの分析作業を効率化するシステムが「BIツール」です。

 

BIツールによって機能は異なりますが、基本的に大きく3つの機能で構成されています。
①「データの収集・蓄積・統合」機能
各システムから分析で使用するデータを収集し、集計・分析ができるようデータの形式等を加工する機能です。
②「データの集計・分析」機能
収集したデータを、様々な角度から集計・分析する機能です。
③「データの可視化・ビジュアル化」機能
集計・分析を行ったデータを、グラフや表形式でビジュアル的に確認する機能です。

 

データ分析というと、多くの企業ではBIツールではなく、Excelを利用して行われていることが多いかと思います。各種関数やピボットテーブル、グラフといった機能をフル活用することで、Excelを利用してデータ分析を行うことも十分に可能です。
ExcelでもBIツールでも、業務に関連するデータを収集・分析し、表やグラフを作成することが可能であるため、同じようなツールに見えるかもしれません。しかし、分析できるデータの量や種類など、BIツールとExcelとでは、できることの幅が大きく異なり、BIツールは得意でも、Excelは苦手とするデータの分析業務があります。

 

Excelが苦手とするデータ分析とは

Excelは使い慣れたツールであることから、手軽に分析を行うことができ大変便利です。しかし、Excelはあくまで「表計算ソフト」であるため、より専門的なデータ分析を行うには限界があります。Excelは、どのような分析業務を苦手としているのでしょうか?

 

■複数の異なるデータを統合して分析
分析で使用するデータが1種類程度であれば、Excelで分析を行うことは難しくありません。しかし実際は、各システムから必要なデータを取得し、形式の異なるデータ同士を統合して、分析を行うケースの方が多いのではないでしょうか。例えば、案件管理システムの“見込”データと、会計システムの“実績”データを統合して、得意先ごとに売上分析を行う場合は、データ分析を行う前の下準備として、得意先をキーにデータを切り貼りして統合する必要があります。この各システムからデータを取得して統合する作業は、手作業で行うと非常に時間がかかってしまいます。

 

■大量データの分析
大量データの分析をExcelで行うと、「ファイルが重すぎて開くのに時間がかかってしまう」「作業中にいつExcelが固まってしまうか分からない」、といった現象に当たったことがあるのではないでしょうか?分析で使用するデータによっては、100万件を超えるデータも珍しくはありません。また、データ分析のために、多くの関数を仕込むことで、Excelファイルは肥大化してしまいます。それを回避するためには、年度でファイルを分割するなど、運用面で工夫をすることも可能ですが、今度は、ファイルが量産されてしまい、「見たいデータを探すのが困難」といった悩みに直面します。

 

■最新データのリアルタイム共有
Excelでデータ分析を行う場合は、情報が新しくなる度に、Excelファイルのデータを更新する必要があります。更新時には、上記のように各システムからデータを収集・統合する作業が発生し、データの量や種類が多くなると、頻繁に更新を行うことが現実的ではなくなるため、タイムリーに情報を更新して共有することは難しくなってしまいます。また、分析後のデータを各部門で共有する場合は、メールや社内サーバを通してExcelファイルを展開する必要があり、「最新のファイルがどれであるか分からない」といった悩みも発生します。

 

BIツールのメリット

データ分析を専門とするBIツールでは、Excelが苦手とする分析業務を効率化する機能を搭載しており、ExcelからBIツールに置き換えることで、以下のようなメリットを得ることができます。

 

■簡単に複数の異なるデータを収集・統合してデータを分析できる
Excelで分析を行う場合は、手動で各システムからデータを取得して統合する必要がありました。BIツールでは、データの取得元となる各システムに連携させることで、分析で使用するデータを直設取得することができるようになります。また、取得したデータは、それぞれ異なる形式のデータであっても、共通する値や項目(案件番号や日時、得意先など)をキーとして、データを統合することが可能です。それにより、分析の前準備として、データを収集・統合することにかけていた工数を、大幅に削減できるというメリットがあります。

 

■大量データの分析を迅速に実現できる
Excelのワークシートに保持できるデータの件数は、最大で約100万件であり、データの件数が上限内に収まっている場合でも、大量データを分析するケースでは、「処理が重くなり動作が不安定になる」といったデメリットがあります。対してBIツールでは、各システムから収集したデータを、データベースに格納するため、保持できるデータの件数に制限はありません。また、大量データの処理を行うことを前提として設計されているので、高速かつ安定した動作でデータ分析を行うことが可能です。

 

■最新データをリアルタイムで共有できる
BIツールではExcelのように、元となるデータが新しくなる度に、手作業で更新を行う必要はありません。各システムから分析で使用するデータを自動で収集して、BIツールのデータベースを更新することも可能です。更新したデータは分析結果に反映させるため、常に最新の情報を確認することができるようになります。また、Webを利用してレポートを共有する機能があるため、Excelファイルを添付してメール送付したり共有フォルダに格納したりする必要もなく、インターネット環境さえあれば簡単に最新データを共有することができます。

 

 

ExcelとBIツールを使い分けるコツ

BIツールはExcelの苦手としている分析業務をカバーすることができるため、“BIツールだけあればExcelは必要ないのではないか”、と考えてしまいますが、Excelの方が向いている業務もあります。Excelは分析だけでなく、資料作成や簡単なデータベースとして機能するもので、分析業務の特徴によって適宜使い分けることが重要になります。Excelが得意とするデータ分析と、Blツールが得意とするデータ分析について、整理をしてみたいと思います。

 

■Excelが得意とするデータ分析
分析業務に以下の特徴がある場合は、BIツールの設定が手間となるケースが多いため、Excelを利用する方が効率的にデータ分析を行うことができます。
①単一データを分析で使用する
②データの情報量が少ない
③分析データを利用するのは個人である
その他、更新の必要がないデータを作成するときや、繰り返し利用しないデータを作成するときもExcelの方が扱いやすいケースが多いです。

 

■BIツールが得意とするデータ分析
分析業務に以下の特徴がある場合は、ExcelではなくBIツールを利用したほうが、データ分析を効率化できます。
①形式の違う複数のデータを分析で使用する
②データの情報量が多い
③分析データを企業内やチーム内で共有する

 

全ての分析業務を、ExcelからBIツールに置きかえれば良いわけではありません。効率化を目指して、手当たり次第に分析業務をBIツールに置き換えると、Excelの頃よりも業務が複雑になってしまう可能性もあります。どちらが優れているというわけではなく、利用目的によって向き不向きがあるため、それぞれのツールの特性や機能を知り、賢く使い分けることが分析業務を効率化するポイントです。

 

 

まとめ

・BIツールとは ~BIツールとExcelの違い~
☑BIツールとは、データ分析を効率化するツールである。
☑データ分析をExcelで行うことは可能であるが、苦手とする分析業務が存在する。
・Excelが苦手とするデータ分析とは
☑形式の違う複数データを組合わせる分析を苦手としている。
☑大量データを取り扱う分析を苦手としている。
☑最新データをリアルタイムで分析して共有することは難しい。
・BIツールのメリット
☑簡単に複数の異なるデータを収集・統合して分析できる。
☑大量データの分析を、迅速かつ安全に実現できる。
☑最新データを、リアルタイムで分析・共有することができる。
・ExcelとBIツールを使い分けるコツ
☑Excelが得意とする分析業務と、Blツールが得意とする分析業務がある。
☑BIツール・Excelの機能・特性を踏まえて、賢く使い分けることが、分析業務を効率化するポイントとなる。

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