予算管理システムの導入を考える~カスタムデモンストレーションの重要性~

2019年12月05日

 

皆様の会社では、予算管理業務をどのように運用されておりますでしょうか。
最近では、予算管理業務をExcelではなく、予算管理システムで運用している企業が多くなってきました。Excelとの親和性が高い製品が数多く登場してきており、システムに対する印象が変わったことが、要因の一つのように思います。
そんな注目を集めている予算管理システムのカンファレンスが先日開催されました。カンファレンスでは、製品の紹介に加え、自社の導入事例や取り組み内容を発表する企業がありました。今回は、予算管理システムを利用することで、どのような効果を得ることができるのかを導入企業の声を交えて紹介しつつ、失敗しないためのシステム選定のポイントを考えてみたいと思います。

 

予算管理システムの効果~Excel予算管理からの脱却~

予算管理システムの導入効果は複数あります。その代表的な使い方としては、期初の予算計画を策定する予算編成業務と、予算と実績を比較する予実管理業務をまとめた、予算管理業務を効率よく運用するために利用されているケースが多いです。
依然として、予算管理にExcelを活用する企業が多く目立ちます。Excelは様々な機能を有しており便利な反面、不向きな点もあるのが事実です。例えば、Excelを配布して収集したときに、列や行が追加されていたり、勝手に関数が変更されていたり等、データを共有する作業には不向きと言えます。そんな課題を解消すべく、Excelから予算管理システムへ移行した企業の紹介をします。
ある外資系製造業の企業の導入効果を見ていきます。
①Excelファイルの収集や集計作業が不要となり、作業時間を削減できるようになった。
②Excelファイルのバージョン管理ができるようになり、最新ファイルと過去ファイルを比較できるようになった。
③データの一元管理ができるようになり、リアルタイムで最新データを把握することができるようになった。
予算管理システムを導入することで、“予算と実績のデータをリアルタイムに一元管理したり、人が手作業で行うことによって発生する入力間違いや転記漏れ等の単純ミスを軽減する”ことができるようになったとのことです。

 

予算管理システムを利用するメリットとしては、Excelの機能だけでは実現が難しい、予算ファイルの最新版を把握する版管理や、予算入力から承認までの策定状況を把握する進捗管理等ができ、計画・実行・評価・改善を手間なく行えるようになるという点になります。

 

予算管理システムの効果~設備投資管理システムとしての運用~

予算管理システムの利用範囲は、予算管理業務だけに留まりません。通常の損益予算とは異なる使い方も実現できてしまいます。予算管理システムを設備投資管理システムとして利用しているある製造業の企業の事例を紹介します。
システムを導入する前は、以下の悩みを抱えていたようです。
・予算ファイルの集計や加工、転記作業に膨大な時間がかかってしまっていた。
・予算ファイルをバージョン管理したり、セグメント別の粒度で管理ができなかった。
・予算ファイルとシステムが連携できていないため、データの一元管理ができなかった。
そして、予算管理システムを利用して、「案件単位で入力される設備投資計画データを、日次の発注や実績データと突合して、進捗を管理する」ことを実現できるようになったそうです。
具体的には、以下の作業を効率化できるようになりました。
①投資予算と投資実績を突合するために行っていた膨大な分析作業を削減できた。
②投資実績のデータを他システムと自動連携させ、日々の投資進捗状況を把握することができるようになった。
③投資予算や投資実績のデータを一元化することにより、経理部門と投資実行部門の重複業務を削減できた。

 

予算管理システムは各プロセスで発生する数々の作業を円滑に行い、予算と実績の分析をスピーディーに行う仕組みが備えられています。そのため、社内で管理されているあらゆるデータを集め、加工して出力することができるので、予算管理システムだけでなく、投資管理システムとしても充分に活用することができます。

 

 

予算管理システムの導入を考える~選定ポイントと製品デモンストレーション~

最近では、定期的にカンファレンスが開催されるほど、予算管理システムは注目を集めています。そのため、数多くの製品が存在しており、その中から自社にあった製品を選定することは容易ではありません。
では、どのような点を基準にして製品を選べばよいのでしょうか。
①自社が抱える課題や要望を整理する。
②どのような機能や特性があるのか、各製品を比較する。
③価格の違いはあるのか、各製品を比較する。
上記①~③が一般的に考えられる選定ポイントです。
上記①の“自社が抱える課題や要望を整理する”については自社がどのような悩みを抱え、どのような業務を効率化したいのかを明確にできていなければ、予算管理システムを導入したとしても、使われないまま失敗に終わってしまうこともあります。そうならないためにも、「なぜシステムを導入するのか」や「システムを導入することでどのような課題を解決できるのか」を事前に把握しておく必要があります。

 

そのうえで、デモンストレーションを行い、製品の使い勝手や動作を見ながら、自社の課題を解決し、要望を実現する機能を実装しているかを確認する必要があります。しかしながら、一般的なベンダーのデモンストレーションでは、この点を確認できないケースも少なくありません。ベンダーでは予めデモ環境を用意していますので、依頼すればすぐにでもデモンストレーションを実施してくれます。ただし、あくまでもベンダーが考えるマスタや帳票レイアウトを使用するので、いまいち実感できないのが実情です。特にITリテラシーの低い現場担当者であれば、その製品が自社に適合しているのかを判断することは困難です。その結果、「何となく使えそうな気がするから」と、曖昧な判断をしてしまうとのちに後悔をしてしまうことになり得るのです。

 

予算管理システムの選定を失敗しないために、まずは自社の現状を把握したうえ、製品の中身や特長を充分に把握する必要があります。ただ、一般的なデモンストレーションでは、製品の適合性が判断できないリスクもあり、失敗しない製品選定のためにはカスタムデモンストレーションで動作を確認することが重要になってきます。

 

 

予算管理システムの導入を考える~カスタムデモンストレーションの重要性~

カスタムデモンストレーションとは、普段の業務で利用しているExcelの帳票データを利用する、特定のお客様だけに限定したオンリーワンのデモンストレーションです。そのため、より具体的なシステムの動作や使い勝手を確認することができます。カスタムデモンストレーションを実施するためには、売上予算や経費予算等、経営管理で利用している帳票データをベンダーに提供する必要があり、デモンストレーションまでに1~2週間程度かかることがあります。すぐにデモンストレーションを実施してはもらえませんが、自社で実際に使用しているマスタや帳票を使用しているので、システムの動作を確認することが可能であり、自社の課題を解決してもらえるかどうかを現場担当者が判断しやすくなります。加えて、帳票データのシート数を基に、システム導入をした場合の導入期間や導入費用等の精度の高い見積りが入手できるというメリットもあります。
ベンダーから製品の紹介を受ける際、資料やカタログで製品の良さや強みを聞くよりも、実機の動きを見て、「こういう機能がこういう効果をもたらすのか」と、具体的に理解できた方が、効率よく製品の良さを掴むことができます。自社の業務に合った製品なのかを正確に判断するための手法として、カスタムデモンストレーションは非常に重要な検証方法だと言えます。

 

今回は、予算管理システムの活用事例や導入効果に加え、数ある製品の中からどの製品を選定すればよいのかを解決するためのシステム選定のポイントや、カスタムデモンストレーションの重要性をご紹介しました。これらを踏まえて、自社で予算管理システムの導入を検討する際は、何をポイントとすべきなのか、何を判断すべきなのかのヒントにしていただければと思います。そして、繰り返しになりますが、失敗しないシステム選定をするためにも、ベンダーにカスタムデモンストレーションを依頼してみてはどうでしょうか?

 

 

まとめ

◆予算管理システムの効果~Excel予算管理からの脱却~
①作業時間の削減②最新ファイルと過去ファイルの比較③リアルタイムによる最新データの把握
予算管理システムにより、Excel予算管理における業務課題を解決することができる。
◆予算管理システムの効果~設備投資管理システムとしての運用~
①膨大な分析作業の削減②日々の投資進捗状況の把握③投資予算や投資実績のデータの一元化
予算管理システムだけでなく、投資管理システムとしても充分に活用することができる。
◆予算管理システムの導入を考える~選定ポイントと製品デモンストレーション~
①課題解決や要望の実現可否②システム機能や特性③製品価格
デモンストレーションは、自社の課題を解決し、要望を実現する機能を実装しているかを確認するものである。
◆予算管理システムの導入を考える~カスタムデモンストレーションの重要性~
・自社の課題を解決してもらえるかどうかを現場担当者が実感しやすい。
・システムの導入期間や導入費用等の精度の高い見積りが入手できる。
自社の業務に合った製品なのかを正確に判断するための手法として、非常に重要である。

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