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失敗から学ぶAI-OCR導入の注意点~導入成功のためのポイント~

2020年03月26日

 

最近では、紙業務を効率化するツールとしてAI-OCR(人工知能を搭載したOCR)がリリースされたことにより、今まで人が行っていた業務をAI-OCRに代替させ、人の作業時間を軽減させることに成功した企業が徐々に増えつつあります。
しかしながら、AI-OCRの導入に成功する企業もあれば、失敗している企業もあります。その企業の差はどこにあるのでしょうか。
今回は、失敗する事例を踏まえて、AI-OCRの導入に成功するためのポイントを解説します。

 


失敗から学ぶAI-OCR導入の注意点~文字の認識率~

AI-OCRは、発注書や請求書などに記載されている文字を読み込んでテキストデータ(CSV)に変換することができます。この文字の読み取りをAI-OCRに対応させることによって、今まで人が行っていた作業を軽減することができるようになります。
例えば、紙に書かれた文字を基幹システムに転記する等の作業があれば、AI-OCRを利用することで作業を軽減すことができるようになります。

 

ただし、全ての作業をAI-OCRに任せることはできません。なぜなら、AI-OCRは、人が書いた“癖文字”や“走り書き”を完璧に間違えることなく読み取ることはできないからです。
AI-OCRが読み取れる範囲としては「人が見て読み取れる文字か読み取れない文字か」が標準になります。

 

また、現時点でAI-OCRが読み取れる「認識率」は約96%と言われており、100文字中96文字であれば正確に読み取ることができます。認識率が高いと感じるか低いと感じるかは受け取り側の価値観によって変わりますが、使い物にならないほど認識率が低いわけではないように思います。

 

それから、AI-OCRで100%の読み取りを行うことは、“理論上不可能”と言われているため、今後もAI-OCRを利用する場合は人の手を介して作業を進めることが必須になります。
人が対応するのは、AI-OCRが読み取った文字に間違いがないのかを確認し、間違いがあれば修正するといった作業です。

 

AI-OCRは、人と作業を併用しなければ活用することができません。
ただ、人が帳票に書かれている文字を一つ一つ確認して基幹システムに転記するよりも、AI-OCRが読み取った文字を確認し、CSVを基幹システムにインポートさせるだけの方が、大幅に作業時間を減らすことができます。

 

失敗から学ぶAI-OCR導入の注意点~場所の特定精度~

AI-OCRを利用する際は、文字の認識率に加えて、場所の特定精度にも注意する必要があります。場所の特定精度とは、帳票のどこの位置に文字が書かれているのかを正確に認識することです。

 

現在普及している多くのAI-OCRは、帳票の様式に合わせて、どの位置に文字が書かれているのかを事前に設定する必要があります。この設定をすることで、AI-OCRが読み取る位置を特定し、同じ様式の帳票であれば何枚でも繰り返し読み取ることができるようになります。
このため、AI-OCRが得意とする帳票は「定型化された帳票」であり、苦手とする帳票は「定型化されていない帳票」に分かれます。例えば、“お客様に出す”見積書であれば、自社の決められた様式に文字を記載するため、AI-OCRが容易に位置を特定することができますが、“お客様から来る”請求書は、お客様によって異なる無数の様式に対応する必要があり、AI-OCRが場所を特定することは困難になります。

 

なお、最近では、技術の進歩によって、定型化されていない“非定型帳票”に対応できる製品が登場するようにな
りました。AI-OCRに読み取ってほしい場所を詳細に設定する必要がなくなったため、無数の様式の帳票を自動的にAI-OCRが判断できるようになり、設定時間を省くことも可能になりつつあります。

 

AI-OCRは、非定型に対応できる製品とそうでない製品で大別されます。そのため、自社で使用している帳票の種類に合わせて製品を選定しなければいけません。
例えば、帳票の種類が限られている企業では非定型に対応していない製品を選べば良いですが、様々な種類の帳票を扱っている企業は非定型に対応しているAI-OCRを選定した方が活用の幅を広げることができます。

 

AI-OCR導入成功のためのポイント~帳票の選定~

AI-OCRの導入を進める際は、自社が使用している帳票の種類や件数を把握しておく必要があります。例えば、「どのような種類が何枚あるのか」や「どのくらいの件数が毎月発生しているのか」などをまとめておくことが重要です。こうすることにより、ベンダーが提供している「読取検証テスト」というサービスを効果的に受けることができるようになります。

 

ここで言う読取検証テストとは、普段使用している帳票のサンプルをベンダーに提供し、どれだけの認識率が出るのかを検証するサービスです。読取検証テストは、AI-OCRが自社の帳票を読み取ることができるのかを検証するための重要なテストになります。
AI-OCRの導入に際しては、この読取検証テストを必ず実施する必要があります。帳票の読取検証テストを行うにあたってのポイントをまとめてみました。

 

帳票の種類
見積書や請求書など、どのような種類の帳票を多く使用しているのかを把握する。
非定型の帳票を多く使用している場合は、非定型の帳票に対応できる製品を選定する必要があります。
帳票に書かれている字形
手書きや印字など、どのような字形で記載されている帳票が多いのかを把握する。
手書きの帳票を多く使用している場合は、手書きの認識に強い製品を選定する必要があります。
月間の処理件数
月間または年間でどのくらいの帳票を処理しているのかを把握する。
AI-OCRの費用対効果を明確にするため、何枚の帳票を処理しているのかを調査する必要があります。

 

AI-OCRの読取検証テストを行う際は、月間で最も処理件数が多く、人の負荷が掛かっている帳票を対象に検証する必要があります。
また、手書きの帳票を使用することが多い企業は、読み取りにくい文字(くせ字)をAI-OCRが認識できるのかを合わせて検証することをお勧めします。

 

 

AI-OCR導入成功のためのポイント~設定方法の工夫~

AI-OCRの導入を成功させるためには、AI-OCRの設定を工夫する必要があります。文字を読み取るための設定を工夫することで識字率が各段に上がるケースがあります。“粗い設定”のまま導入を進めて90%程度の識字率しか達成できなかったものが、より“細かく設定”することで、100%の識字率を達成した事例もあります。
例えば、下記のような設定方法を工夫することで、識字率を大幅に改善させ、AI-OCRの導入を成功に導くことが可能になります。

 

文字の属性を指定する
AI-OCRは、住所や郵便番号、銀行名や支店名など、帳票に書かれている文字の属性(種類)を設定することができます。
AI-OCRのデータベースの中にある「住所」や「銀行名」などの情報を指定することで、認識率を上げることが可能です。
文字のサイズに合わせて設定する
AI-OCRは、記載されている文字のサイズに合わせて細かく範囲を設定することで、より高い精度で認識することができます。
例えば、四角い枠の中に文字が記載されている場合、枠全体を囲むのではなく、文字の大きさに沿って囲むことで認識率を上げることが可能です。
透かし文字やノイズを除去する
AI-OCRは、帳票の背景に記載されている透かし文字(SAMPLEや社外秘)やノイズ(無駄な点線)を平滑化することができます。
読み取りに不要な記号や点線等を除去し、帳票を鮮明な状態に変換することで、認識率を上げることが可能です。

 

AI-OCRの導入を検討している多くの企業では、AI-OCRの認識率の低さが問題となり、導入を見送っているケースがあります。しかし、設定方法を工夫することで100%の識字率を達成している事例も存在します。
AI-OCRの導入を成功させるためには、AI-OCRの機能を充分に理解し、いかに設定方法を工夫することができるのかがポイントになります。

 

 

これからAI-OCRの導入を検討されている方は、「帳票の選定」「設定方法の工夫」に注意して進めてみてはどうでしょうか。
自社にどのような種類の帳票が何枚あるのかを洗い出し、AI-OCRの製品にどのような機能や特長があり、どれだけの認識率が出せるのかをテストすることにより、AI-OCR導入の成功確率は各段に上がるはずです。

 

 

 

まとめ

失敗から学ぶAI-OCR導入の注意点~文字の認識率~
◆AI-OCRは、全ての作業を対応することができないため、必ず人と作業を併用しなければいけない。
◆AI-OCRが100%の読み取りができるのは、理論上不可能である。(現時点では96%)
失敗から学ぶAI-OCR導入の注意点~場所の特定精度~
◆AI-OCRは、非定型帳票に対応できる製品と定型帳票にしか対応できない製品に大別される。
◆自社がよく利用する帳票の種類(定型か非定型)に合わせて製品を選定すべきである。
AI-OCR導入成功のためのポイント~帳票の選定~
◆読取テストをする際には、自社がどのような帳票を使用しているのかを洗い出す必要がある。
◆月間で処理件数(人が対応する時間)が多い帳票を対象にすると費用対効果が得られやすい。
AI-OCR導入成功のためのポイント~設定方法の工夫~
◆AI-OCRの導入を成功させるためには、製品の機能や特長を把握する必要がある。
◆AI-OCRの設定方法を工夫することで、100%に近い認識率を実現することができる。

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